【新シリーズ開幕記念】【1巻丸ごと無料連載第1回】『淫靡な洞窟のその奥で(1)』

【新シリーズ開幕記念】【1巻丸ごと無料連載第1回】『淫靡な洞窟のその奥で(1)』

2019/04/19 18:05

「小説家になろう」の男性向けサイト「ノクターンノベルズ」で人気のスライム凌辱ファンタジー第1巻丸ごと無料公開第1回!

女冒険者たちがスライムに延々と犯されるオシリス文庫の最人気作『淫靡な洞窟のその奥で』 新シリーズ開幕となる第6巻が発売されるのを記念して第1巻を丸ごと無料連載しちゃいます! スライム凌辱が好きな方は必見です!

淫靡な洞窟のその奥で(1) (オシリス文庫)

淫靡な洞窟のその奥で
著者:ウメ種/イラスト:アフ黒(1~5巻)/月猫(6巻)

第1巻の購入はこちら

第一章 産まれた日

 異世界から召喚された『勇者』によって、『魔王』が倒されて十数年。
『勇者』は異世界へ帰り、『魔王』から生み出された魔物もその数を急激に減らしていた。
 嘗ては世界の全域にあふれるほどいた魔物たちは、いまや森の奥や洞窟の奥へ追いやられた。
 そして、わずかに残った魔物たちは今日も冒険者や騎士たちによってその数を減らしている。
 ──世界は、人間や亜人によって動いている。
 魔物がいない世界。
 平和な世界。
 人と人が争う世界。
 人と亜人が手を取り合う世界。
『魔王』がいない世界。
『勇者』がいない世界。
 勇者と共に旅をした、3人の王が支配する世界。
 それが、ここ。
『異世界の勇者が救った世界』──エウシュアレ。
 女神エウシュアレが創ったとされる、箱庭世界。
 剣と魔法、精霊と亜人と魔族と人間が生きる世界。
 そう遠くない未来に、魔物が滅ぶ世界。
 ───そのはずだった。
 そう、誰もが思っていた。
 人間も、精霊も、亜人も、魔族も、女神も──『勇者』も、そう思っていた。
 だって、そうではないか。
 魔物を生み出す『魔王』はいない。
 なら、もう魔物が増える術はないのだから……。


 3人の王のひとり、魔導女王『レティシア』。
 レティシアが統べる北の国『フォンティーユ』。
 勇者と共に旅をし、魔王を倒した魔導師レティシア。
 味方からすらも驚嘆と……恐れられるほどの魔力をもって魔王討伐を果たした天才にして天災。
 その魔力はすさまじく、魔王や勇者には及ばないものの、魔法を得意とするエルフと比べても別格。
 本人も、そして周囲の者もそう思っている。
 魔王の恐怖が人の記憶から薄れてしまうほどの時間が経過したが、その美しさはさらに磨かれていた。
 当時も、確かに美少女と呼んで差し支えなかった。
 長く美しい絹のようにやわらかな銀髪。大きな赤色の瞳に、整った眉。目つきは鋭いが、それもまた魅力のひとつだ。
 そして、エルフの血が混ざっているのか、その耳はわずかに尖っている。
 エルフほど顕著ではないが、人間の耳のように丸くもない。
 レティシアが嫌っていた部分であり、勇者が愛してくれた部分。
 人間であり、エルフ。エルフであり、人間。
 それがレティシア。
 レティシア・フォンティーユ。魔導女王にして魔王殺しの魔法使い。
 勇者とのあいだに成した子はふたり。
 だというのにその肢体はいささかも崩れず、むしろ『母親』としての艶やかさがあった。
 レティシアはエルフにしては珍しく、白色の服が好きだった。
 エルフは森の民と言われ、若草色の服装を好むのではあるが、レティシアは白のドレスを身にまとう。
 豪奢に飾られたドレスだが、その生地は薄く、女王の肢体を隠すことなく現わしている。
 肩を見せ、その豊かな胸元を覗かせ、しかし足首までも隠す純白のドレス。
 だが、細い腕に、豊かな胸元、抱き締めれば折れてしまいそうな腰、やわらかく揺れる臀部など、その輪郭線に貼りつくことによって魅力を際立たせている。
 そこには隠れているからこそ、という魅力も感じられた。
 その姿を見て淫らな想像をする男も少なくない。
 あの『勇者』でさえそうだった。
 若き日に旅した勇者も、旅の仲間である魔導師レティシアや、狩人フレイに何度も欲情していた。
 あの頃から、自身の美貌に気づいていた。最初は無意識にソレを武器にしていた。
 いまでは、意図して使っている。
 場内の廊下を歩くたびに、わずかに震える豊かな胸に男の視線が向く。服と下着に護られているというのに、見ているだけでその豊かさ、やわらかさが伝わる。
 男の兵士にとっては目の毒だ。目の保養などととんでもない。その美貌、肢体、ほかの貴族になめられまいとする冷たい雰囲気。
 そのどれもが、美しい。
 ただただ美しい女王。
 それが、レティシアだった。

「お母さま、おはようございます」

 そう挨拶をしてきたのは、空色のドレスをまとった上の娘『メルティア』。
 母親譲りの銀髪に、愛らしい表情。その身長は、同年代より頭ひとつ小さい。
 だというのに、その胸。女性の象徴ともいうべき部分は豊かに実っている。
 だがそれは、決して肥満だというわけではない。愛らしい顔から華奢ともいえる肩、豊かに実った胸部、そしてコルセットで締めてもいささかも苦しくない細い腰。
 それがメルティアだ。

「おはようございます、メル。今日もこれから学業ですか?」

「はい、お母さま。朝食をいただきましたら、学院へ」

「そうですか。励んできなさい」

「はい」

 会話はそれだけ。母と娘は、それだけを話すとすれ違う。メルティアが軽く会釈をして、道を譲った。
 王族というのはかくも面倒なものだ。勇者と旅をしていた時は、ただただ楽しかった、とレティシアは回想する。
 貴族や王族などという肩書きはなく、友人として話せていた。堅苦しい言葉など使わず、自然体で接することができた。それはとても楽しくて、眩しくて、美しい記憶。
 いつか娘にもそんな時間が、と思ってしまう。
 それがとても難しいことだとわかっているが、本当に王族というものは面倒だ……そう思いながら歩くと、ひとつの扉へたどり着く。
 コンコン、と軽くノックをするが返事はない。
 構わずドアを開けようとすると、鍵がかかっているのかドアノブは回らない。それもわかっていたのだろう、驚きもなく艶やかな唇がかすかに呪文を紡ぐ。
 開錠の魔法。
 家族であってもプライバシーはあるのだが、それを気にせず鍵を開け部屋に入る。
 部屋の中でひときわ目立つ天蓋つきのベッドに、王族らしい豪奢な家具。
 レティシアの家族は質素な部屋が好きだが、王族というのは見栄も大事なのだ。たとえそれが、ほかの貴族たちに見られることのない私室であっても、だ。
 その天蓋つきベッドの上、日は昇っているというのに布団は膨らんでいる。レティシアはひとつため息を吐いてそのふくらみに近寄っていく。

「マリア」

 本当なら、このようなことは女王ではなく侍従がすべきことだが、こればかりはレティシアは譲らなかった。
 子を起こすのは、母の務めだ。
 ふくらみを軽く揺らしながら、何度かその名前を呼ぶ。それをしばらく繰り返すと、そのふくらみから黒髪が這い出てくる。
 レティシアやメルティアの銀髪とは真逆。夜の闇。深い深い黒──勇者と同じ、髪の色。
 勇者の血を色濃く継いだ愛娘『マリアベル』。
 烏の濡れ羽色の髪に、同じく黒色の瞳。だが肌はレティシア譲りのきめ細かな肌色で、見事なコントラストを演出している。
 質素倹約と言えば聞こえがいいが、着飾ることをしない、王族としては困った娘は寝間着も質素だ。
 そんな所は父である勇者に良く似ていると思う。彼もまた、必要な物以外は手にしようとしなかった。
 貴族たちからはあまり良く見られていないが、レティシアはマリアベルのそんな所が大好きだった。
 この子を見ていると、いまはいない勇者を思い出せる。それはとても大切なことなのだ。

「起きなさい。学院へ遅れますよ?」

「……もう、そんな時間ですか?」

「まったく……お父さまに似て、朝は弱いですね」

「むぅ……」

 そう小さく笑うと、マリアベルが小さく膨れる。
 父と比較されるのが嫌なのだろう。かわいらしい容姿相応にそういう年頃なのだろうとレティシアは思う。
 だが、こればかりはどうしようもない。そう思い、そのやわらかな髪を梳かすように撫でる。

「ふふ、綺麗な髪」

「でも、学院の皆は気持ち悪がってるわ」

「そうですか」

 この世界で黒髪は珍しい。
 というか、勇者の血族であるマリアベル以外に、この国には黒髪はいないだろう。
 だから珍しがられ、怖がられ、奇異される。
 それがすごく悲しかった。勇者の色は、この世界では異端なのだ。

「ですが、いつかこの髪を愛してくれる方が現われますよ」

「……だと良いけど」

 どこかあきらめたようにつぶやくその声に、レティシアの胸が締めつけられる。
 こんなにも愛しているのに、この子は世界を嫌いになろうとしている。
 だが、こればかりはどうしようもない。この世界には髪や瞳の色を変える魔法はないのだ。
 だからレティシアは、その濡れ羽色の髪を撫でる。自分は、この髪を、娘を愛しているのだとわかってもらうために。
 マリアベルもまた母の愛に身を委ねる。寝起きの髪を手櫛で梳いてもらう。この時間だけは大好きだった。
 そんな、平和な時間。
 勇者によって魔王が倒され、これから先、永遠に続くと思われる平穏な朝。
 そんな幸せな一幕。


 魔導王国『フォンティーユ』。
 その最北端に、十数年前は魔法銀『ミスリル』が採掘されていた洞窟がある。
 いまは魔法銀も採掘し尽くされ死んだ洞窟となり、誰も寄りつかない場所。
 じめじめと澱み、その奥に太陽の光は届かず、採掘の際の崩落などに巻き込まれた人々の『怨念』が溜まる場所。
 だが無音ではなく、時折洞窟の天井から滴る水滴や、ねぐらにしている蝙蝠の声が響く。
 キィキィと蝙蝠が鳴き、水滴が岩を削り、女子供が見たなら悲鳴を上げる量の虫が岩陰を走る。
 そんな、おぞましく、汚らわしく、歪み、濁り、澱んだ場所。
 そこもまた、ある意味で平和だった。蝙蝠が飛び、おぞましい虫が地を這い、怨霊が絶望を詠う。
 それは魔法銀の採掘が終わってから続き、そしてこれからも続くはずだった。
 だが、それは終わる。
 今日この時、この平和は終わる。
 ギ、と。
 蝙蝠が普段ではありえないような低い声を出し、地へ落ちた。落ちた蝙蝠の首元には、親指ほどのサイズしかない甲殻虫が1匹。
 ソレは口から麻痺毒を持つ針を出し、それで獲物を麻痺させて食べる虫だ。何日もかけて岩壁を登り、蝙蝠に気づかれないように少しずつその身体を登り、麻痺毒で仕留めた。
 ようやっとの獲物。
 虫に感情はなかったが、だが確かに喜びの声をキィと上げる。
 それは、自然界ではあたりまえのこと。いままでも、そしてこれからも続く生命の理。
 ──だが、その理が最悪の結果を生むなど、誰に予想できようか?
 甲殻虫が落ちた蝙蝠を捕食しようと、その口から細い触手を吐き出す。
 この触手から酸を出し、少しずつ溶かして食べるのだ。
 甲殻虫の食事量はそう多くない。蝙蝠の首筋の皮膚を溶かし、そこからやわらかな肉をわずかばかり食べる。
 それで食事は終わり。
 残ったものは、岩壁を登れないような、または蝙蝠を落とせないような虫に食べられる。
 あとに残るのはなにもない。骨まで食べられる。
 現に、蝙蝠の死骸へ虫が集まろうとし──ズズ、とわずかになにかを引きずるような音が洞窟に響く。人の耳には届かないような、小さな音だ。
 しかし、その音と振動に驚き虫が四散する。
 洞窟の闇。そこから現われたのは『歪み』。産まれたてのバケモノだ。
 ズズ、といままで洞窟にはなかった音が響く。
 よく見ると、それは洞窟の闇が歪んで見えるような深い黒をまとった粘液の塊のようなもの──闇色のスライムだった。
 魔王がいた十数年前なら珍しくもない魔物。学術的な名前では『ブラックウーズ』と呼ばれていた。
 スライム系の魔物としては中級、永く生きた個体ならそれなりに強力な魔物である。
 だがそれは、永く生きたなら、だ。
 生まれたてのブラックウーズは、犬などの家畜にも劣る。現に大きさは子供の握り拳程度でしかない。
 本当なら獲物を獲れずに朽ち果てるか、虫に群がられて食い殺される運命だっただろう。
 だが、このスライムの目の前には獲物があった。
 それも、自身と同等程度はありそうな、大きな獲物だ。
 本能に従い、スライムは蝙蝠の死骸を体内に取り込む。スライムは、体内に取り込んだ獲物を少しずつ消化し、栄養に変えていく。
 運が良かった。そして、最悪ともいえるほどに──運が悪かった。
 これが最下級の、ただのスライムなら。
 いや、ほかのスライムだったなら。
 獲物を得られることなく、このスライムが朽ち果てていたら、運命は変わらなかっただろう。
 だが、このブラックウーズは餌を手に入れた。
 そして、変化が起きる。
 子供の握り拳程度の大きさだったスライムが、蝙蝠を取り込んで瞬く間に大きくなったのだ。
 これが、ブラックウーズの特性。
 消化した栄養を、瞬く間に変換し、自身の質量を増加させる。蝙蝠の栄養を得たいま、もう小さな虫ではこのスライムは殺せない。
 ──いまこの洞窟内でこのスライムを殺せるのは天井に張りつく蝙蝠か、奥にいる蜥蜴や入り口付近の野犬だろう。
 だが、このスライムは頭も良い。いや、知能があるというべきか。
 大きな獲物には手を出さず、まずは小さな虫を岩陰から探し出して捕食していく。
 1匹の虫のサイズが小さく、それを捕食して得られる質量の増加も微々たるものだが。洞窟内には、それこそ星の数ほどの虫がいる。
 その虫を食い漁る。本能に従い、貪欲に食って喰って貪り尽くす。そして自身の体積を増していく。
 数日も経った頃には、壁を這い上がり、蝙蝠を獲った。
 生きた蝙蝠は暴れたが、一度スライムに捕らえられたら逃げ切れなかった。蜥蜴は牙を突き立てて必死に抵抗したが、その頃には蜥蜴程度ではどうしようもない大きさまで成長していた。
 以前に捕食した甲殻虫は、殻を消化することができなかった。しかも小さいので、栄養などほとんどない。
 だが、面白い能力をスライムに与えてしまった。自分より大きな獲物を捕まえる麻痺毒の力が、スライムの粘液に付加されてしまったのだ。
 そうすると、捕食はさらに楽になる。洞窟の奥の蝙蝠、蜥蜴、虫を喰い尽くしたスライムは、入り口付近の野犬へ食指を伸ばす。
 自身の粘液に麻痺の特性があると理解しているのだろう。警戒する野犬に自身を食わせ、小刻みに痙攣しているところを捕食した。
 入り口付近の野犬を捕食し尽くすと、スライムは洞窟へと戻る。帰巣本能というものがあるのかはわからないが、スライムにとってはここが家だった。
 いまや、この洞窟にいるのはこのスライムと、この洞窟に宿る怨念たち。それだけだった。
 静かでなんの変哲もない洞窟は、いまや怨霊が詠う死の洞窟となっていた。
 その頃には、スライムの大きさは牛ほどにまでなっていた。
 十数年前、勇者と魔王が争っていた時代。その頃なら見かけることもあった大きさだ。
 だが、いまや魔物は生まれず、ブラックウーズなど図鑑の中でしか見ることのできない存在だ。
 誰もが平和を信じ、それが永遠だと思っている。
 魔王の時代が長すぎたゆえに、手に入れた幸せから離れられなくなってしまっていた。
 だからだろう。
 いまは誰も魔物が生まれたことに気づいていなかった。
 そして、それからひと月ほどの時間が流れる。

 周囲の野犬を喰い尽くした頃になって、洞窟の近くにある村の住人が不思議に思い始める。
 そこは以前は鉱夫の町として栄えていたが、魔法銀が採れなくなり寂れてしまい、いまや都市としての規模は町から村と呼ばれるようになってしまった。
 いま住んでいるのも十数人だけで、酪農によって生計を立てている田舎の村だ。
 老人ばかりの村で家畜を襲う野犬には手を焼いていたが、ここ最近はそれがない。
 不思議に思った。山に餌はあるとはいえ、それだけで満足するような野犬ではない。
 家畜の味を覚えたそれらは、執拗に家畜を襲う。何度も罠をかけて殺したが、それでも家畜を守りきることはできなかった。
 野犬の数が多すぎるのだ。
 だというのに、最近はそれがない。
 あきらめたか? 誰かがそう言ったが、すぐに否定した。野生の獣がそんな真っ当な思考など持ってはいない。
 しかし、家畜が野犬が襲わなくなったのは事実だ。不思議ではあるが、これも女神エウシュアレの奇跡だと思い、祈りを捧げることにした。
 田舎の村などその程度だ。だが、そんな田舎の村にも、血気盛んな老人はいるものだ。
 武器を手に取り、装備をまとって山へ向かう。野犬になにかあったのか確かめるためだ。ほかの村人は止めたが、その老人は話を聞かなかった。
 老人は、自分は強いと思い込んでいた。若い頃は何匹もの魔物を殺した。スライムやゴブリンなどは言うに及ばず、仲間と共にオーガ等の自分の身体の何倍もの大きさの魔物も倒した経験がある。
 年老いたいまでもその強さにいささかの翳りもない──そう思い込んでいた。
 山を登り始めて数刻、息が切れてきたので、岩に腰を下ろして休む。年老いた身体に登山など酷だ。
 浴びるように水を飲み、ひと息吐く。もうずいぶんと山を登ってきた。この先にはあと、ミスリルの坑道があるだけだ。
 だがやはり、野犬の姿はない。それどころか野ウサギなどの動物も見ない。
 なにごとだ?
 なにかが起こっている、と自身の勘が告げていた。
 勘だけは、年老いたいまでも冴えていた。だが、肉体は老い果てていた。
 ──気づいた時には、老体が動かなくなっていた。
 麻痺だ。老体が気づかないほどの些細な刺激とともに、麻痺毒が流し込まれたのだ。
 効果は即効。牛ほどの大きさのスライムから流し込まれた麻痺毒は、老人には強力すぎた。
 肉体の動きどころか、心臓すら止めてしまった。老人は、なにが起きたのか理解できぬまま、死んでしまった。
 そしてスライムは、その老人を捕食する。
 ゆっくりと、ゆっくりと。
 ……そして、最悪の幕が上がる。
 この日、黒いスライムは知識を手に入れた。魔物殺しの知識、人間の知識、生活の知識……そして、性。
 いまは誰も、このスライムも気づいていない。このスライムが突然変異だと。捕食したモノの特性を奪うのだと。
 甲殻虫の麻痺毒。
 人間の知識。
 もし最初に喰らった人間が女だったら──。
 それならそれで『妊娠』の特性を奪っていただけで、最悪には変わらなかったか。
 だが最初に喰らったのは年老いたとはいえ、人間の男。
 スライムは手に入れた。人間の知識、生活の知識──女を孕ませる知識。
 人間とは業が深いモノである。
 なにせ、同族はおろか、エルフやセイレーン、獣人といった異種族すら孕ませる種族なのだから。
 世界はまだ知らない。
 魔物を産む魔王がいないこの世界で、魔物が生まれたことを。


1巻丸ごと無料連載第2回は4月20日18時公開!

●【新シリーズ開幕記念】【1巻丸ごと無料連載第2回】『淫靡な洞窟のその奥で(1)』


淫靡な洞窟のその奥で(1) (オシリス文庫)

第1巻の購入はこちら

淫靡な洞窟のその奥で(2) (オシリス文庫)

第2巻の購入はこちら

淫靡な洞窟のその奥で(3) (オシリス文庫)

第3巻の購入はこちら

淫靡な洞窟のその奥で(4) (オシリス文庫)

第4巻の購入はこちら

淫靡な洞窟のその奥で(5) (オシリス文庫)

第5巻の購入はこちら

淫靡な洞窟のその奥で(6) After Disorder 1 (オシリス文庫)

第6巻の購入はこちら

淫靡な洞窟のその奥で

著者:ウメ種
イラスト:アフ黒(1~5巻)/月猫(6巻)
レーベル:オシリス文庫


公式サイトへ

関連記事
最新記事
TGマーケットアプリはインストール済みですか?
アンケートの送信を受け付けました

アンケートのご協力いただきありがとうございました。
【まとめ】『対魔忍RPGX』まとめ
【まとめ】『FLOWER KNIGHT GIRL』まとめ

★アクセスランキング(CG集関連)

ロード中

★アクセスランキング(オンライン関連)

ロード中

★アクセスランキング(美少女ゲーム関連)

ロード中
上へ戻る