【新シリーズ開幕記念】【1巻丸ごと無料連載第1回】『アヴァロンの迷宮 純粋無垢な姫巫女を俺の触手○○○の奴隷にする(1)』

【新シリーズ開幕記念】【1巻丸ごと無料連載第1回】『アヴァロンの迷宮 純粋無垢な姫巫女を俺の触手○○○の奴隷にする(1)』

2019/07/12 18:05

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700万PV突破の姫巫女調教ファンタジー 第1巻まるごと無料公開第1回!

 触手チ○ポで無垢な姫巫女はじめ魅力的な美女を喘がせまくるオシリス文庫の人気作『アヴァロンの迷宮 純粋無垢な姫巫女を俺の触手○○○の奴隷にする』 新シリーズ『アヴァロンの迷宮 可憐な美姫たちが僕の媚薬精液をおねだりする話』が開幕するのを記念して第1巻を丸ごと無料連載しちゃいます

アヴァロンの迷宮 純粋無垢な姫巫女を俺の触手○○○の奴隷にする(1) (オシリス文庫)

アヴァロンの迷宮 純粋無垢な姫巫女を俺の触手○○○の奴隷にする(1)
著者:アールグレイ /イラスト:黒野菜

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第1章  アヴァロンのダンジョン



「いやあぁぁぁっ!!」

 今日もつんざくような悲鳴が上がる。
 大あわてで素肌の上に衣を羽織るなりドアを開けて部屋を飛び出していく女を見送るのはひとりの男。
 バタン! と荒々しく閉ざされるドアの音にももう慣れた。

「これでちょうど20人めか……」

 せっかく借りた宿部屋が台なしだ。と、彼は独りごちる。
 ベッドに深く腰かけ、はーっというため息とともに天井を仰いでいるのは、全裸の男。
 なんの変哲もない褐色の短い髪、ぼんやり天井を見つめるのはダルそうな緑色の瞳。
 そして股間でウニョウニョとうごめいているのは肌色をした1本の触手……ではない。

「どういうことだよ。これじゃ前のほうがマシじゃないかよ……」

 がっくりとうなだれたまま男は自身の股間から生える男性器の形をした触手をやさしく握りしめていた。
 手を上下に動かさずとも、股間から伸びるそれがぐにぐにとうごめき伸縮することによって刺激が与えられる。――やがて。

「……くっ」

 どびゅびゅるっ! とその触手の先端から飛び出したのは白い液体である。
 どぷどぷとミルクが蛇口の先から溢れ出るかのように、その白濁液は留まることを知らずに借りた宿部屋の床を濡らしていく。

「これじゃオナニーマスターじゃないか。オナニー極めたくてこんなことになってるんじゃないんだよ。俺の股間はどうなった。いったいどうなってやがる!!」

 ガバッと座っていたベッドから立ち上がる男。
 そんなときであっても触手状の一物《いちもつ》の先端は白濁液を吐き出し続けることをいまだにやめていない。

「古魔導師クロウリーは性魔術の権化《ごんげ》じゃなかったんですか? そうじゃないんですか――!?」

 男は頭を抱えていた。

「古《いにしえ》の性魔術の遺産《アーティファクト》なら! 俺の短小チ〇コも世界中の女をアヘアヘ言わせられるミラクルに変質させられると思ったのに……!!」

「なんだよこれは!!」と男が自身の股間の触手をつかむことによって、ようやくそこは白濁液を吐き出すことをやめていた。

 部屋の床にはピッチャーを2杯はひっくり返したかのような量の精液だまりが生まれており、生臭い臭いが立ち込めるようになっている。

「一般人にろくに相手にされないってのはわかってた。娼婦しか抱けないってのもわかってた。本心では俺のチ〇コを馬鹿にしてるってのも知ってたさ……! だからこその頼みの綱なんだろ!? 違うんですかクロウリーさん!!」

 男は頭を抱えていた。

「さっきの逃げてった娼婦で20人めだ……いつも表向きだけでもやさしかった娼婦なら。娼婦ならって思ったのに! 娼婦ですら相手してくんなくなってるじゃねーかよおぉぉぉッ!!」

 男の苦悶の叫びが孤高に響いていた。
 そのとき、コンコンと部屋のドアをノックする音が聞こえてくる。
 おっと。さっきの子が俺の股間の怪物がやっぱり恋しくなって戻ってきたのかな? と思って、男は軽やかな足取りでドアのほうへ向かった。

「はいはい、まだ怒ってないから、怖がらなくていいよ?」

 そんな男に返ってきた声はじつに渋い低音だった。

「……アレクシス・シェリダン・クランガル様ですな?」

「はっ? …………」

 息を飲む全裸の男に向かって、ドア越しにその声が話すのはこれだ。

「道楽はこれくらいにしておいて、いますぐ帰還していただきたい。父王がお呼びですぞ」

「はあぁぁぁっ……!?」

 心底から嫌そうな声を男は吐き出していた。

* * *

 声の主に誘《いざな》われるがまま、男はしぶしぶと宿をあとにしていた。
 その結果、町の片隅には見るからにちぐはぐな取り合わせのふたりの男がいる景色が生み出される。片や立派な老騎士と、片やくたびれた冒険者ふうの男。
 いかにも雑な手入れしかされていないボサつきがちな褐色の髪、気だるげな色を宿す緑の瞳、やや低めの背に対してガッシリとした体格。
 馬にまたがるには多少不格好さが残る背丈を持つ、使い古された革鎧を身にまとったこの冴えない見た目をした男こそが、クランガル王国の第6王子たるアレクシス・シェリダン・クランガルであるとは誰が想像するだろうか。

(めんどくさいことになったな……)

 アレクシスは老騎士が連れてきたらしき2頭の馬に目をやって、こっそりとため息をつく。

「アレクシス様、私が先導いたしますからついてきてください」

 そう言って彼は厳めしそうな面構えのまま、軽やかに馬上へとまたがっていた。
 アレクシスもまたそれに倣《なら》ったのを確認するが否や、すぐに老騎士は馬を走らせるようになる。
 老騎士に追従するようにして馬を走らせながら、アレクシスは何度めともつかないため息を吐き出していた。
 いったいなんで俺なんか呼びつけるんだよ、親父は。と考える。
 そもそもアレクシスは末端の第6王子だ。その上、妾《めかけ》の子供であるためか王位継承権すら持っていない。この辺り考えが古いとは思うが仕方がない。そもそもアレクシスがおらずとも、彼の上にはずらーっと第1から第5まで、イケメンかつ非の打ちどころのない、正当な王位継承権を持った王子たちが順次並んでいる。
 なぜ女に一切不自由しない身でありながら親父は、俺の母親なんて冴えない女を相手したのか。嫌がらせか。それは俺の遺伝子に対する冒涜か。
 そんな疑問が芽生えるほどである。
 とにかくアレクシスは第6王子として城に身を置くことが大嫌いなのだ。あんなキラッキラしたイケメン兄たちに囲まれるとか憤死ものである。
 で、ひとりめから順番にイケメンたちをひととおり見て行った人は決まって最後にアレクシスを目に映すと、こんなことをのたまうのだ。

「え? なにこれ、なんかひとり使用人が混ざってますよ……?」

「うおおおぉぉぉ!!」とアレクシスは叫びたくなった。

 というか叫んでいた。
 目の前で馬を繰る老騎士がビクッとなっている。

「帰りたくねえぇー……」

 ぼやくアレクシスをなだめるように、「まあまあ」とその老騎士は言った。

「普段から冒険者などという道楽に身を置くことを父王は許されておられるのですぞ。たまの帰還くらいよろしいではありませぬか」

「たまの帰還って、帰還したときにゃだいたい用事を言いつけられるじゃんか……されどっかの戦場へ行ってこいとか、されどっかの野盗を退治しろとか」

「それは、アレクシス様の武の才能を買われておられるのですぞ」

「嘘くせえ」とアレクシスは言わずにはいられなかった。
 アレクシスだけでなく、第5王子も武に長けているのだ。なにか用事があるなら第5王子に頼めばよいのだ。1歳違いのあのキラキラ5《ファイヴ》に。
 それを飛び越えてわざわざ呼びつけるにも苦労するこっちに声をかけるとか、嫌な予感しかしない。

(なに言い出す気だ、あの親父……)

 アレクシスはいまのうちから渋い表情を浮かべるのだった。

* * *

 クランガル王国、クランガル城――。
 帰還してさっそく、立派な石造りの宮殿内にある王の私室にアレクシスは呼び出されていた。
 革鎧のまま行くと、革造りの立派なチェアに国王が腰かけてアレクシスのことを待っていた。
 キラキラブラザーズの親にふさわしい、やっぱりキラキラした面立ちの男が真っ赤なマントを羽織ってずしりとチェアに座っている。
 いったい俺のどこにこいつの遺伝子が入ってるんだろうか。と神妙な気持ちで考えているうちに、「アレクシスよ」と目の前の父王が口を開いた。

「兄弟で群を抜いて不埒者であるお前を呼びつけたのはほかでもない、頼みがあってな」

「へいへい、そりゃわかってるよ。なんだよ頼みって?」

「これ。それが王家の一員たる者の口の利き方か?」

 父王に注意されるが、アレクシスは知ったこっちゃないと思った。王家王家と言われたところで、自分には王位継承権もなければ責任もない、なーんもない。

「……まあいい」

 まったく悪びれた様子を見せないアレクシスをすでに父もあきらめているのか、すぐに本題に入ってくれた。

「隣国のサグラード王国がいま、どうなっているかお前は知っているか?」

「ああ――……」

 アレクシスは表情を変えていた。
 いくら冒険三昧のアレクシスといえど、その話なら聞いたことがあったからだ。
 サグラード王国はこの国に隣接している宗教国家で、『神官の国』と言われている。王は神官王という称号を持っており、その国のひとり娘である第1王女は『姫巫女《ひめみこ》』と呼ばれており、祭事や儀式のときにはいつも歌や踊りを披露するそうだ。
 中でも今代《こんだい》の姫巫女は見た目も上玉なら声も美しいそうで、どこへ行っても評判だ。
 アレクシスも一度祭事を見にいったことがあるが……キラキラとしたプラチナを透かし込んだような銀色の髪、宝石と見紛《みまご》うようなアメジスト色の瞳。カナリアのように澄んだ美しい声。何度思い返してもきらびやかな印象しか浮かんでこない。

(あれは評判以上の美姫だった)

 アレクシスが思い出にふけるうちに、「サグラードはいま」と父が話を進める。

「アヴァロンのダンジョンに飲み込まれているということは知っておろう?」

 アヴァロンのダンジョン――。
 その言葉がアレクシスの回想を別のものへと引き寄せる。
 その、極上の美姫が住まう歴史ある王国が漆黒の中に飲み込まれるとは誰が予測しただろうか。
 それ以上の詳しい事情はわからないが、ある日突然「アヴァロン」と呼ばれる漆黒があたりに広がって、瞬く間にサグラード王国の全土を飲み込んでしまったのだ。
 その瞬間、これまで平和だったはずのサグラードは王国としての一切の体裁を失ってしまった。なにしろ、民はおろか王すらも国土とともにその存在を消してしまったのだ。
 無事だったのは、そのときたまたま国を離れていた一部の者と、そしてただひとり――当時サグラード王国内にいたにもかかわらず、なぜかアヴァロン近郊で発見された姫巫女だけ。
 本来対処すべきサグラード王国にはもはやその力がなく、それにもかかわらず、その漆黒からは毎日のように魔物と呼ばれる得体の知れない生き物たちが這い出してくる。
 そのため、隣国であるクランガル王国がその処理に追われていると、そこまでならアレクシスも聞き及んではいた。

「いま、前線基地となっているローカ砦では、姫巫女のフランシスカ公が直接指揮を取って対処に当たっている。我々の国の兵もそれに協力しているのだが、どうも近頃進行が芳《かんば》しくないようだ。――そこで、だ!」

 父王はアレクシスをビッと指差していた。

「いったい前線でなにが起こっているか、お前が直接視察しにいってほしい」

 父王の指示に、アレクシスは息を飲んでいた。




 話を聞けば聞くほど、父王の頼みごとは面倒臭さを極めていた。
 正直言ってそんなもの、ちゃっちゃと断わろうかと初めは思った。いくら父王の頼みごとであろうとサクッと断わるのがアレクシスである。
 しかしよく聞けばアヴァロンのダンジョンは古大魔導師が生み出した迷宮であるというではないか。

(ってことは、俺のこの呪われた股間を元に戻す方法が見つかるかもしれない!!)

 アレクシスはそのことに希望を見出し、珍しくふたつ返事で行くことを了承したのだ。
 父はそれについて、「アレクシスも少しは大人になったか」と見直した様子だったが、まさか息子の息子が魔物と化していることはついぞ知らぬままである。
 知らぬが仏ともいうし、教えないほうが心臓によいだろうとアレクシスも思い、無言で前線に向けて出発していた。

* * *

 かくしてアレクシスは2日後にはローカ砦入りしていた。
 森の中に建てられている物々しさを見せる石造りの武骨な城郭越しに、うわさどおりの漆黒が広がっている様相を眺めることができる。
 漆黒の周囲にはいくつも手製の柵や盾が張り巡らされており、そのうしろ手には剣や槍や鎧といったもので武装した兵士や、杖を握りしめた魔術兵たちが布陣している。
 アレクシスは砦に入るとさっそく、指令室へと案内された。
 デスク越しに見える、そこの木造椅子に腰かけていた者こそが姫巫女たるフランシスカ・アリアス・サグラードだった。
 プラチナで紡がれた糸がこぼれ落ちているかのような、胸もとまで伸ばされている銀色の髪。間近で見るには美しいアメジストのような瞳。どこからどう見ても文句のつけようがない年頃の美少女。
 白く、触れればやわらかそうな肌にまとうのは運動に特化したスリット入りのワンピースドレスと、冷たく硬い鉄鎧だった。
 極めつけはその、本来ならば美しくも可憐であるはずの眉根を寄せてムスッとしている、いかにも不機嫌そうな表情。
 前に見た姫巫女の温和で淑やかそうな印象とはずいぶんとかけ離れている。

「またなの? 新しいクランガル兵の配備ですって?」

 口を開けるや否や繰り出されたのは、いかにもうんざりとした調子の声だった。
 せっかくの可憐な音色が台なしである。

「まったく、そちらの王はなにを考えているのか、役立たずばかり寄越してきて……いえ、いまの言葉は気にしないで。どうせ期待なんてしていないから」

 フランシスカは胸もとにこぼれ落ちている髪を拾い上げると耳たぶのうしろへと引っかけていた。
 サラサラとした銀色の髪が、ほどよく出っぱったやわらかそうなふくらみを覆っている鉄板の上から肩のうしろへと流れていく。
 その美しいせせらぎを思わずアレクシスが目で追いかけるうち、「どこを見ているの」と、フランシスカが睨みつけてきた。

「どうやら“お前”もハズレのように見えるわね。……まあいいわ、捨て駒にはちょうどいいでしょう。一応、名前を聞いてあげるから名乗りを上げなさい」

 ひどい姫君だ。と思いながら、アレクシスは答えていた。

「俺の名はアレク・レインです」

「そう、アレク」とあっさりとフランシスカは頷《うなず》いた。
 アレクシスが偽名を使うには理由がある。
 それはアレクシスが王子であるとバレないように視察してほしいと父王に言われたのだ。
 下手に取り繕《つくろ》われても困る、ありのままの状況が知りたい、と。
 どうりでキラキラブラザーズを通り越して自分が指名されるはずだ。
 フランシスカは第1から第5までの王子の顔を知っているらしい。
 アレクシスに関しては、普段城に近づかないため対面したことがなかったというわけだ。

「明日までに配置は決めておくから、今日はそのへんの兵に砦内を案内してもらいなさい」

 フランシスカにぞんざいな態度で言われ、内心驚きながらも「はい」とアレクシスは頷いていた。

(なんだあの姫様、イメージと全然違うじゃないか。ありゃあ、近隣諸国でも早々見ないくらい態度の悪いお姫様だな)

 いまだに驚きが取れないものの、なにはともあれアレクシスは砦を見て回るついでにさっそく視察を始めていた。
 そして間もなくこの砦内に蔓延している重大な問題に気づいたのだ。



 現状、砦内に詰めている兵士は300人強。
 およそ100人ずつ3交代でアヴァロンを取り囲み、漆黒から這い出してくる魔物が近隣に悪さをする前に討伐作業を行なっているようだ。
 そしてそのほかにも、アヴァロン内に広がるダンジョンを攻略するための『攻略隊』と呼ばれる部隊が存在している。
 それが、フランシスカ姫を含んだ15名で編成された少数精鋭たちだ。

「へえっ、あの姫様、恰好だけじゃなくちゃんと戦えるんですか!」

 思わず声を上げたアレクシスに「あたりまえだとも」と応じたのは、兵士用の食堂で偶然出会った、顔に傷を持ったベテランらしき壮年の兵士である。

「お前は新兵だから知らぬのも無理はないようだがな、あのお姫様がサグラード王女として、『出現してしまったアヴァロンの責任は自分で取る』と言い出したのは、ちょうどアヴァロンが出現してすぐ――2年も前のことだ。最初は陛下も本気でとらえておらず、第5王子に任せるよう再三伝えたらしい。しかしあのお姫様はなんと、見よう見まねであっという間に剣技を覚えて1年後には前線へ行ってしまった」

 その情報をアレクシスがようやくつかんだときにはすでに夕刻が迫る頃になっていた。
 それもそのはず、ここに詰めている兵士はじつにひどいものだったのだ。
 指令室を出たあと、アレクシスはフランシスカの指示どおりに砦の案内を受けようと近くの暇そうにしている兵士に声をかけてみた。
 自分が新兵であることを告げると、兵士はすぐにニヤッと笑みを浮かべる。

「やっぱりお前も、このクチか?」

「このクチ?」

 聞き返すと、「とぼけるなよ~!」とニヤつく兵士。

「ここは“あの”姫巫女様とお近づきになれるチャンスで溢《あふ》れてるんだぜ? しかもそれだけじゃない、姫巫女様が連れてきたサグラード人の従者たちはカワイコチャンばっかりじゃないか! サグラード人と言ったら、神官の民でカタブツとして有名だったのにさ、いまやもう神官なんて言ってる余裕がなくって、俺たちのような男連中と同席するのも辞さないだなんて。そりゃもう、志願するしかないよな。なあ!」

 それを聞いた瞬間、なんだこいつは。と思って、アレクシスはムッとしていた。
 それはなんだ、少しでもチャンスがあるからこその余裕ってやつか。チャンスナッシングの俺に対する言葉の暴力だとは思わないのか。
 いらいらするあまり、自然と言葉が口を突いて出ていた。

「もういい」

「はっ?」

「……もういいよ、ほかを当たる」

 アレクシスはすぐに目の前の兵士のそばを離れていた。
 が、ふたりめ、3人めと話しかけたところで似たような情報しか得られず――その数がいよいよ2桁中盤に達する頃、ようやく判明したのはこのことである。
 あろうことか、ここに志願して訪れているクランガル兵の大半は、美しいがカタブツであると評判のサグラード人女性と懇意になれるチャンスを狙っているだけだったのだ!
(そりゃ、姫巫女様もあんな態度になるはずだよ!!)とアレクシスが思ったのは、「あのお姫様ってかわいい見た目して鬼だぜ鬼! 鬼隊長って呼んでやってんだ!」といういかにも誇らしげに語る兵士を目にしたからだ。
 それでもへこたれずに話しかける兵の数を増やしていき、やっと行き当たったのがこの、食堂で出会った壮年の兵というわけだ。

(おお、マトモな兵士だ! マトモな兵士がマトモな話してる!)

 ただそれだけのことでアレクシスは妙に感激してしまった。
 しかし、このことこそがいま現在進行に滞りを見せている根底の要因である様子だった。
 つまり、クランガル兵はフランシスカ姫を含めたサグラード人を女としてしか見ておらず、またサグラード人もクランガル兵たちのことを一切信用していなかったのだ。



(さて、ここからどうしたもんかな。新兵ってかたちで潜入した俺がなにか大規模なことをできるようにも思えないし、かといってこのままじゃなあ……)

 結局アレクシスの悩みの答えが出ないまま夕食の時間が過ぎ、入浴の時間となる。

「おうアレク、一緒に風呂へ行くか?」

 詰所にてそう声をかけてくれたのは夕刻前に話をした、あのベテラン壮年兵である。
 アレクシスがマトモな兵だと思ったのと同様、彼もまたアレクシスをまじめな兵と認めてどうやら気に入ってくれた様子だった。
「ああ、いいですね」とアレクシスは思わず頷いてしまい、すぐにハッと気づいていた。

(――って、俺この股間をぶら下げてほかの連中と風呂に入れってのか!? だ、ダメだダメだ!!)

 アレクシスはあわてて言っていた。

「あー……いや、俺、あとにします。皆さんはいつ頃風呂に入るんですか?」

「ん? あーそうだな、だいたい就寝の1時間前には皆終わらせている。……あん? まさかと思うが、恥ずかしいのか?」

 彼の指摘が周囲に聞こえていたようで、ニヤついた兵士たちが集まってきた。

「なんだなんだ? 新兵、お前まさか……――」

「短小ってやつか!?」

「いやいや、アレだろ。まだガキなんだよ」

 瞬く間に爆笑の渦に包まれるこの中において、アレクシスは我慢ならないことがあった。
 それは『短小』という言葉である。これにはアレクシス自身、これまでどれだけ苦い思いを味わってきたことか……。

「ち、違いますよ!」

 思わず言い返したアレクシスがしまったと思ううちに、「じゃあなんだってんだよ」「見せてみろよ!」と、あろうことか屈強な男たちが群がってくる。

「いやいや、見ないほうがいいですよ!」

 アレクシスは彼らを避けながらあわてて叫んでいた。

「俺の股間には魔物が潜んでますからね、見たら皆さんきっと卒倒しますよ!」

 次の瞬間、ザワッとこの場がざわめき立つようになる。

「なん……だと……? 卒倒モノの魔物だって……!?」

「くそ、そいつは何口径だ? 俺のマグナムの上だと言い出すんじゃねぇだろうな……!?」

「いやいやいや、マジモンの魔物ですから! 見ないことを勧めますね、俺は!」

 アレクシスの洒落《しゃれ》に見えない血相に、彼らはごくりと息を飲む。

「な、なんてことだ」

「こんな冴えない新兵が、まさか……」

 どうやら彼らに心理的ダメージを与えてしまったようだ。
 しかしそれ以上の致命傷を避けたいと考えたのか、誰もアレクシスのズボンに手を伸ばしてこなくなったため、アレクシスはホッとしていた。

(……人がいない時間帯にこっそり行こう)とアレクシスは考えていた。
 

1巻丸ごと無料連載第2回は7月12日18時公開!

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アヴァロンの迷宮 純粋無垢な姫巫女を俺の触手○○○の奴隷にする/アヴァロンの迷宮 可憐な美姫たちが僕の媚薬精液をおねだりする話

著者:アールグレイ
イラスト:黒野菜
レーベル:オシリス文庫


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