【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第4回「壁爆乳」──『となりのおっぱいさん 俺んちのクローゼットの壁から爆乳が生えているんだが』

【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第4回「壁爆乳」──『となりのおっぱいさん 俺んちのクローゼットの壁から爆乳が生えているんだが』

2020/07/03 17:00
【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第4回「壁爆乳」──『となりのおっぱいさん 俺んちのクローゼットの壁から爆乳が生えているんだが』


人気漫画家の連載コラム! 「全身貞操帯」「触手エステ」──アダルトライトノベル「オシリス文庫」の個性的なプレイやテーマをカレー沢薫先生が切れ味するどく語ってくれます! あなたの知らなかった性癖が花開いちゃうかも!?



(注:コラム内でオシリス文庫の刺激的な挿絵が登場することがあります。周囲にはお気をつけください)

アダルトコンテンツに「巨乳」はつきものだ。
もちろん小さいのが好きという人もいるだろうが、日本では胸が小さいことを「貧乳」などと称したりする。
他人様の胸をつかまえて「貧しい」とはいったい何様であろうか。

一方、英語圏では小さい胸のことを「cute titties」と言ったりするようだ。
「貧しい」と「かわいい」、どちらがいい表現かなど一目瞭然である。
明らかに欧米諸国におくれを取ってしまっているではないか、恥ずかしい限りである。

ともかく、エロコンテンツに巨乳というのは、家に屋根がついているくらい当たり前すぎるので、そこから抜きんでるために、エロの匠(たくみ)たちは爆乳や魔乳など、際限なく乳をでかく描き続けた。

しかし何事にも「ストップ高」というものがある。でかくしすぎて引きずって歩くようになったら、お名前に「☆」が入っている漫画の某大先生の描かれるババアと大差なくなってしまう。

コンドームメーカーが薄さばかり追うのはやめ、機能性を追求するようになったように、巨乳も巨乳を活かすシチュエーションや設定に力を入れる時代である。

そんなわけで今回のテーマは「壁爆乳」だ。

一瞬、なんだそれはと思ったが私も伊達に一日62時間ツイッターを、38時間ピクシブを見ているわけではない。

少し前に「壁尻」というジャンルがはやった。
「壁尻」とは、壁に頭から上半身を突っ込んだ状態で、尻側からは突き出した下半身しか見えず、もちろん身動きはとれない。
そして攻める側はその尻及び下半身を好き勝手にできるという、男性向けエロはもちろんBLでも使われている汎用性の高いシチュエーションだ。

顔も見えないケツだけいじって楽しいか、と思うかもしれないが、攻めるほうは「お前は下半身だけあればいいんだよ」という加虐心が刺激され、受けは身動きが取れないうえになにをされているのかわからないという恐怖や羞恥を感じることになる。

一見ギャグシチュのように見えて、なかなかえげつないドスケベシチュなのである。

つまり「壁爆乳」というのは「壁尻」の乳バージョンで、壁から乳だけが突き出ている状態だと思われる。
しかし、完璧に推理したところで疑問はつきない。

この「壁爆乳」が登場するのは『となりのおっぱいさん 俺んちのクローゼットの壁から爆乳が生えているんだが』という作品である。


プロファイリングするまでもなくタイトルで全て言ってしまっている、時間の無駄だった。

もし乳の本体などなく、本当に爆乳がしいたけのようにクローゼットから生えているという話だったらそれはそれで新しいが、もちろんそういう話ではない。

まず最大の疑問はこの『となりのおっぱいさん』が3巻まで出ているという点だ。

前述の「壁尻」はいわゆる「出オチ」であり「セックスしないと出られない部屋」同様「なぜこんな状況になったのか」という説明はド派手に省かれている場合が多い。
よって、二次創作や、とにかく理屈とかどうでもいい短くてヌケる話に出てくることが多く、あまり長編には向かない設定なはずである。

それをどうやって3巻も続けたのか純粋に気になる。

『となりのおっぱいさん』の簡単なあらすじだが、主人公は苦節1年やっと浪人生活を抜けた「開出羽衣雄(かいではいお)」という大学生で引っ越し先でおとなりさんである「君田胡桃(くるみ)」という爆乳と出会う。
この胡桃さんの爆乳は表紙でも確認できるがまさに「爆」の名にはじないただずまいだ。
ちなみにサイズは「Zカップ」だ、つまり巨乳の終着駅である。


しかし、胡桃さんは怖い顔をしていて怒りっぽく、仲よくなれそうにもない。
気をとりなおして新居で迎えた初日の夜、なにやらクローゼットから物音がし、恐る恐る開いて見ると、壁から爆乳が突き出ていた、というのが『となりのおっぱいさん』の概要だ。

そんな光景を目にしたら、すぐさま、警察、病院、不動産屋に鬼電ジェットストリームアタックだが、それくらいでビビっているようではエロラノベの主人公など務まらぬのである。

開出は毎夜突き出されるその爆乳を怪訝に思いながらも結局むしゃぶりつき、夜な夜な壁越しにお互いセルフバーニングにふけるという高度なプレイを繰り返すのであった。

ちなみにネタバレもクソもないので言うが、この爆乳の正体はおとなりの胡桃である、むしろ胡桃とは無関係の爆乳だったら余計怖い。

つまり、胡桃自ら壁から己の爆乳をまろび出しているということだ。
不可抗力で壁にはまり、身動きが取れなくなっていることが多い「壁尻」とは似て非なるものである。
このように、決して女子が酷い目にあわず、むしろ能動的なところがオシリス文庫の魅力である。

爆乳の正体が胡桃なのはわかりきっているが、なんと1巻では、なんでそんなことをしているのかはもちろん、爆乳の本体が胡桃であると突き止めるところにすらいかないのである。
さすが3巻も続いているだけあって、焦らしてくるではないか。

その後、夜ごと壁爆乳と戯れているにも関わらず、開出は同じ大学に「英香」という「cute titties」な彼女を作ってしまう。
ちなみに英香は、胡桃とは対照的に小柄で胸の控えめなメガネっ子だ。


そして隠せるわけもなく彼女に爆乳の存在を知られ修羅場かと思いきや、なぜか「3人で仲よし(隠語)しよう」という方法へと進む。

不倫など男女のいさかいがどんなニュースを差し置いてでもトップにきてしまう我が国おいて、この平和的解決には心が洗われる思いである。

そして3巻目ではついに、なぜ胡桃が壁から乳を突き出すなどという、一歩間違わなくてもご近所トラブル待ったなしの行為をしていたか、理由が明かされる。

みんな気になっていると思うが、もちろんここでは書かない、読んで確かめてほしい。

そんなふうに、出オチ設定で3巻も続くものかと思ったが、見事に「最後まで読まなければ」と思わせる話運びになっている。
ちなみに、『となりのおっぱいさん』は、公認の同人、というかたちでCG集やコミカライズも発売されているので、もっと壁爆乳をビジュアルで楽しみたいという人はチェックしてみるといいだろう(編集部注:公式に権利許諾してCG集、コミックをFANZA、DLsiteなどで配信しております。サークル「オシリスピクチャーズ」から好評発売中!)

最後に、乳の揺れる効果音は「どぅゆんどぅゆん」である。
つらいことがあった時など、ぜひ声に出して言ってみてほしい。どぅゆんどぅゆん。


カレー沢薫

漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。


となりのおっぱいさん(1) 俺んちのクローゼットの壁から爆乳が生えているんだが
著者:江戸祝頼多/イラスト:榎ゆきみ

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