【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第11回「コンビニで即ハメ」──『コンビニで出会ったエロい女の子と爛れきった関係になりました。』

【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第11回「コンビニで即ハメ」──『コンビニで出会ったエロい女の子と爛れきった関係になりました。』

2020/10/09 17:00
【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第11回「コンビニで即ハメ」──『コンビニで出会ったエロい女の子と爛れきった関係になりました。』


人気漫画家の連載コラム! 「全身貞操帯」「触手エステ」──アダルトライトノベル「オシリス文庫」の個性的なプレイやテーマをカレー沢薫先生が切れ味するどく語ってくれます! あなたの知らなかった性癖が花開いちゃうかも!?



(注:コラム内でオシリス文庫の刺激的な挿絵が登場することがあります。周囲にはお気をつけください)

エロには手っ取り早さが求められる時がある。

確かに、完全に片思いだった高嶺の花と3巻くらいかけて関係を育みやっと結ばれるみたいな話は焦らされたぶんだけカタルシスがデカく、ふたりの門出を祝うシャンパンの如く発射できるだろう。

しかし、下半身まるだしのまま3巻も読んでいたら風邪をひくし、そうやってモタモタしているあいだに、突如現われたチャラ男くんに高嶺の花の太ももに謎の「正」の字を書かれてしまうのが生き馬の目を抜くようなエロの世界である。

第一印象最悪だった感じの悪い女のカワイさにだんだん気づいていく、というツンデレものもやぶさかではないが、打たれ弱いと最初のツンを食らった時点で「すみません、二度と話しかけないんで、腰に手を当てた仁王立ちで怒らないでください」と、心と股間が折れてしまう。

私も年を取るごとに、フィクションくらいは「俺に優しい」ものが見たいと思うことが増えてきた。

エロにおける「優しさ」とはなにか。
妖艶な痴女と出会って4秒でコンバインという農機具みたいな話は手っ取り早くはあるが「それはそれで怖い」し、「出会って4秒の股間に俺を預けるのか?」と大事な息子に不信感を抱かれる恐れがある。

やはり「自分が前から好意を持っていた相手も実は自分に好意を持っていた」というのが、いちばん股間に嬉しく心に優しいのではないだろうか。
さらにその相手が「助平」だったら手っ取り早さもあって言うことがない。
これには思春期の息子も「親父うまくやれよ」と肘でこちらを小突きながら小声で応援してくれるに違いない。

今回紹介するのは、そんな半分は優しさ、半分エロでできたバッファーみあふれる作品である。

『コンビニで出会ったエロい女の子と爛れきった関係になりました』


これが今回紹介する作品だ。
「爛」という文字にたとえ読めなくても、画数の多さから不穏を感じてしまった人もいるかもしれない。
確かに「爛れた関係」と言われたら、顔は疲れきっているのに、肉体(カラダ)だけは熟れきった人妻と、毎週木曜日にだけホテルではなく「モーテル」で落ち合い、言葉もろくに交わさず卑猥の限りを尽くしたあと「…そろそろ保育園のお迎えの時間だから」で別れるような関係を想像するかもしれないが、そういうのでは全くない。

『コンビニで出会ったエロい女の子と爛れきった関係になりました』のヒロインは離婚調停中や親権争い中の人妻というわけではなく、調理師専門学校に通う20歳の女の子である。

ライターを生業とする三十路主人公「友也(ともや)」は、たまにコンビニの雑誌コーナーで見かける猫のような見た目と雰囲気を持つヒロインに出くわすこと楽しみにしていた。

ヒロインのビジュアルは三白眼気味の目が特徴で、友也にも絶世の美女というワケではないと評されている。
第1巻の表紙ではそんなヒロインがスウェット姿でコンビニの雑誌をウンコ座り読みしている姿が描かれており、ケツも半分は出てしまっているなと思ったが、本文によると「三分の一」しか出ていないようだ。

このように、ヤンキーとまではいかないまでも、若干だらしない印象のあるヒロインだが、友也は彼女の顔や雰囲気、たまにエロ本を立ち読みしているようなところ、なによりそのエロボディを気に入り、出会うたびにわりとジロジロと見ていた。

そんなある日、ヒロインの方から「あたしのこと、ちょくちょく見てないっすか?」と突然声をかけられる。
現実であれば「お巡りさんこの人です」と言われるか「お巡りさん僕です」と先手を打って若干情状酌量の余地を持たせるかの二択になってくるが、ここは前述のとおり優しい世界である。

ここでヒロインの名が「吉井美夜(みや)」であることが明かされ、美夜も前々から友也のエロ視線にまんざらでもなかったようで、自ら胸の谷間を見せてきたり友也の股間をまさぐってきたりと、お巡りさんを呼ぶのはこちら側になってくるのだが、友也も驚きはするが当然悪い気がしない。

つまり「意気投合」という、結婚式のなれそめ紹介で使ってもいいような理想的な男女の出会いを果たすのである。

その後、ふたりはコンビニ内でなかなかド派手なペッティングをおっぱじめ、すわコンビニでコンバインかという雰囲気になってくるが、そこは冷静にウチくる? という情報バラエティー番組のような仕切り直しが行なわれる。

現実世界では、多目的トイレを使ったプレイが猛烈に批判されるという出来事があった。本作ももしコンビニのトイレなどでことに及んでいたら発禁だったかもしれない。
卑猥の限りは尽くすわりに、ギリギリの倫理ラインは死守しようとするオシリス文庫らしさが功を奏している。
ペッティングはいいのかと言われたら意見は分かれるが、よく見たら「露出は全くしていない」という職人芸が光っているし、店員や防犯カメラからは死角というポジショニングもばっちりだ。

こんな感じで、コンビニで意気投合したエロ女子をお持ち帰りという「話がうまくいきすぎ」な展開に、なにかの罠ではとさえ思えてくるが、ちゃんと最後まで「うまくイク」ので安心してほしい。

いったいなにが爛れているのかと言われたら、ほぼゆきずりの男女がノリで関係を持ち、そのままズルズルと同棲状態になり、セックスばかりしている、というのが爛れていると言えなくもないが、うしろ暗いところは特にないし、続刊もいろんな女に手を出すのではなく、水着エッチ、アナル調教、アナルプラグをつけてジョギング、ハメ撮り、青姦など、あくまで美夜ひとりを相手にエロを追求していくスタイルなので、純愛と言ってもいい。

優しいエロにひたりたい人は「爛」の画数にひるまず読んでほしいし、本作は最終的に「爛」とは無縁のハッピーエンドを迎える。





しかし、俺はコンビニでエロ目線を送ってくる男にホイホイついていくような女はどうかと思うぜ、という慎重派の息子を持つ人もいるかもしれない。

しかし、1巻の巻末番外編として美夜視点の話が収録されており、美夜は決してヤリマソ(編集部注:ヤリマン。カレー沢薫先生独自の表記です)というわけではなく、むしろセックスの楽しさをまだわかっていないほどで、友也以外の男から向けられるエロ目線も不快に思っていたと語られている。
しかし、友也の視線だけはなぜか不快ではなく、友也相手だといつもはできないような大胆なふるまいができて美夜自身も驚いていたのである。
つまり、若干爛れ気味でも「運命」だったということが明かされているのである。

さらに、なんの注釈もない中出しが多いエロ創作において、事前に生理が重いからピルを飲んでいると説明してくれ、「でも病気とか」と、さらなる異論を唱える息子のために「不特定多数と関係を持ったことはないし、むしろ一定期間セックス自体していない」ことも書いてくれている。

つまり美夜の安全性をこれ以上なく示し「安心して抜いてくれ」という配慮が随所にあるのだ。

「突然好意を持っていた女子に好かれる」という展開だけが優しさではない、さまざまなリスクを排除する細やかさがあってこその「優しい話」である。


カレー沢薫

漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。


コンビニで出会ったエロい女の子と爛れきった関係になりました。(1)
著者:高橋徹/イラスト:篠岡ほまれ

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