【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第19回「香港」──『香港銀奇譚 中華邪仙ド貧乳エルフ師匠を性的にこらしめるやつ』

【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第19回「香港」──『香港銀奇譚 中華邪仙ド貧乳エルフ師匠を性的にこらしめるやつ』

2021/02/12 17:00
【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第19回「香港」──『香港銀奇譚 中華邪仙ド貧乳エルフ師匠を性的にこらしめるやつ』


人気漫画家の連載コラム! 「全身貞操帯」「触手エステ」──アダルトライトノベル「オシリス文庫」の個性的なプレイやテーマをカレー沢薫先生が切れ味するどく語ってくれます! あなたの知らなかった性癖が花開いちゃうかも!?



(注:コラム内でオシリス文庫の刺激的な挿絵が登場することがあります。周囲にはお気をつけください)

「君はなにフェチ?」

そう聞かれたら「男性のヘソの周りに生えている毛が好きですね。ただし『陰毛とつながっている』ことが条件です。陰毛とつながっていることにより『ヘソ毛だが実質陰毛』となっている点にロマンと可能性を感じます。昔はこの毛を「ギャランドゥ」と呼んでいたのですが、万人に通じなくなってきているので、そろそろ新しい呼び方を考える局面にきているのではないでしょうか」とひとりがけソファに半ケツで座り、若干早口で答えるが、さすがに気ごころの知れていない奴にそう答えるのは気が引ける。

むしろ、気ごころの知れていない相手にそんな質問をする方がおかしい。

いきなりそんなことを聞くような奴はいないだろう、と思うかもしれないが「ちょっとエロい質問をするのが距離を一気に縮めるコツ」というのを鵜呑みにして、初対面の酒席などで聞いてくる奴がたまにいるのだ。
当然、居酒屋の個室の扉に「ヤリコンご一行様」と貼られている会でなければそんな質問はしない方がいい。
そういう会だったら逆に「好きな動物は?」とか聞いている場合ではない、それも性的意味での質問なのかもしれないが、動物愛護的にマイナスイメージである。

とにかく、よく知らない相手に性的な質問はよくないし、それへの回答に難色を示した相手に「ノリ悪いよーw」とか言うのはなお悪い。
「リョナ趣味がある」という返答とともに首を落とされても文句は言えない。

よって、そういう質問をされても素直に答える義理はないのだが、黙ってしつこくされても面倒なので、話を早く終わらせるために「男の人のごつごつした指が好き」とか「血管が浮いてる腕にセクシーさを感じる」など、もっともらしいうえに無難な「ダミーフェチ」を出す場合もある。

ちなみに「指」や「血管」はよく女のフェチダミーに使われるので、本当に血管でコいている人にはいつも申し訳ないと思っている。

男の無難なフェチと言えばやはり「胸」だろうか。
「やっぱ、おっぱいっすかね~」と言っておけば「健康優良男子~完~」であり、「アナルのヒダの本数が基準値以下の女性は残念ながら…」とメガネのブリッジを押さえる男よりは警戒されない。

しかし、おっぱいが好きな男性は実際多いようで、オシリス文庫も胸を強調した女子が表紙を飾っている作品が多く、少なくともアナルのヒダを強調した表紙よりはメジャーである。

だが「おっぱい」といってもいろいろある。
「巨乳」は永遠のエロ界センターかもしれないが「貧乳」がなければ「巨乳」もなにと比べて「巨」なのかという話である。

よって「貧乳」も、巨乳という概念を支える存在として根強い人気がある。
そして今回紹介するのはヒロインが「貧乳」の作品だ。

『香港銀奇譚 中華邪仙ド貧乳エルフ師匠を性的にこらしめるやつ』

これが今回とりあげる作品だ。


タイトルで全部説明していただき、ありがたき幸せだが、貧乳以外に情報が多すぎてこれがちゃんとまとまるのか心配になってくる。

『香港銀奇譚(以下略)』は日本出身の主人公が「香港」という中華風浮遊都市に流れ着き、そこでタイトルにもあるエルフ仙人の「銀精娘々(インジンニャンニャン)」に拾われ弟子入りするというところから始まる。
ちなみに主人公の名前は作中では明かされないのだがエルフ師匠に授かった宝貝《パオペエ》由来で「銀杖(ぎんじょう)」と呼ばれている。

日本など実在の国名が出てきており、地理は地球と酷似してはいるが、世界観はファンタジー色が強く、エルフなどの異種族や魔法的なものが普通に出てくる。

「年齢的には老婆だが見た目は少女」という「ロリババア」と呼ばれるジャンルがある。
「銀精娘々」も年齢は900歳超え、口調も嗜好もババアを超えてジジイに達している部分があるが、見た目は20歳前後の美女という広義のロリババアと言えるかもしれない。

銀精は仙人と呼ばれるだけあり、剣術と体術の達人、死霊術にも長け、薬剤師としても名を馳せているが、怠惰でわがまま、口も悪い。

銀杖は人間ながら、仙人の素質がある「仙人骨」の持ち主であり、文字どおり死ぬほどの銀精のしごきを受け、拾われて2年でかなりの力を身に着けたが、銀精には敵わず、連日バイオレンスな指導を受けながら、彼女の身の周りの世話をするという弟子兼小間使いのような生活をしていた。
銀杖も最初は、美女である銀精の衣服の匂いを嗅ぐなど思春期ムーブをしていたが、2年経って、そんな感慨もなくなり、銀精のことを「クソババア」と呼ぶようになっていた

まるで少年漫画に出てくるような、気の置けない師弟関係である。

これが少年漫画であったら、いつしか師を超え、あるいは師の死(韻を踏んだ)をきっかけに覚醒するというアツい展開が待っているが、本作は少年漫画ではない、むしろ少年の目の届かないフォルダに入れておかなければいけないジャンルだ。

アダルトノベルの正しい師弟関係は師匠を「超える」と書いて「犯す」と読むのである。
ただし、漢字の読み仮名テストでこの回答をすると「漢字を漢字で読むな」という意味で通常の120倍減点されてトータル「-356点」とかになるのでやめておこう。

ある日、銀精は銀杖を残して食い逃げをするという破天荒な行ないをするのだが、銀丈はいつものこととなかばあきらめ、警察に一日拘留されたあと帰宅、ふて寝を決める。

だがその夜、銀精が詫びと称して銀杖のもとに「夜這い」に訪れ、銀丈を全裸にむいたうえ、自分も衣服を脱ぎ始める。

銀精はタイトルどおり「貧乳」なのだが、それ以上にフィーチャーされているのが「巨尻」であり、銀杖にも「細身のくせにケツだけデブっている」「ケツだけはいい」と再三言われている。

もしかしたらタイトルも「デカケツエルフ師匠」にしたかったのかもしれないが、それだと芸人の師匠にしか聞こえないので、やはりド貧乳で正解だったと思う。

銀杖は「師匠は抱けない」という土俵際の粘りを見せるが、鬼粘りからのうっちゃりで師匠を自室に投げ返したら私は「やるやないか」と思うが、多くの読者は怒るだろう。
説得に応じない銀精の誘惑と、いつもと違うウブな反応に銀杖の理性は土俵ごと倒壊し、巨尻をつかんで結果的に師匠を「ブチ犯し」最後にケツを叩いての一本締めでその夜を終えることになり。

その時、銀精が900年ものの「処女」であることが発覚する。



べつに守ってきたというわけではなく、今まで言い寄ってきたのが「下半身も仙人」という枯れきった男ばかりで「捨て時を逸した」結果だそうだ。
ただ、銀杖を都合のいい処女のボッシュート先としか見ていないかというと、それだけではないことが1巻の最後に収録されている銀精視点の番外編からもうかがえる。

平素、圧倒的な強さを見せ、不遜な態度の銀精が、もう許してくれと懇願する姿はそそるものがある。

このように、冒頭はケンカップル師弟の日常系エロなのだが、このシリーズは現在7巻まで出ている。
ファンタジー系作品は巻数が増えると、ヒロインが増えるだけでなく「ファンタジーとして怒涛のスケールアップをしていく」という特徴があるが本作も例外ではない。

3巻では「ジェスター・クラウン」という道化師のような魔人が香港中に仕掛けた「爆弾スタンプラリー」に銀杖が参加する羽目になり、近代的な都市を背景に、竜が飛び、爆弾や銀杖(アイテムの方)が駆使されるアクションシーンの数々を読んでいると、アダルトノベルを読んでいたことを一瞬忘れるが、そのあとちゃんと師匠に目隠しくすぐり責めをしていたりするので安心してほしい。



ファンタジー作品としても読みごたえがある作品であり、もし「ド貧乳」というタイトルを見て尻フェチがスルーしているとしたらもったいなさすぎる。
貧乳でありながら「デカケツエルフ師匠」という文字どおりの巨匠が出てくる作品であることは何度でも強調しておきたい。


カレー沢薫

漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。


香港銀奇譚 中華邪仙ド貧乳エルフ師匠を性的にこらしめるやつ(1)
著者:鵺野新鷹/イラスト:奈倉ゆまり

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