【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第30回「貞操観念逆転世界」──『逆転異世界で嫁き遅れSランク女冒険者たちに迫られています』

【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第30回「貞操観念逆転世界」──『逆転異世界で嫁き遅れSランク女冒険者たちに迫られています』

2021/07/16 17:00
【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第30回「貞操観念逆転世界」──『逆転異世界で嫁き遅れSランク女冒険者たちに迫られています』


人気漫画家の連載コラム! 「全身貞操帯」「触手エステ」──アダルトライトノベル「オシリス文庫」の個性的なプレイやテーマをカレー沢薫先生が切れ味するどく語ってくれます! あなたの知らなかった性癖が花開いちゃうかも!?



(注:コラム内でオシリス文庫の刺激的な挿絵が登場することがあります。周囲にはお気をつけください)

私事だが先日「モテ」に関する、コラム集を発売した(編集部注:新潮社刊『モテるかもしれない。』)。

だが最初に出版社側から「モテ」というテーマを聞いた時、正直「今時モテとか、もういいだろう」と思っていた。

個人的に、二次元の男のことで忙しく、金や時間、クレカや内臓がいくらあっても足りない状態であり、三次元の男にモテている暇などない、というのもあった。
だがそれ以前に、世間的にも異性、または同性やそれ以外(コンプラ対策)にモテなければ意味がないという価値観はすでにオワコンのような気がしたからだ。

昔であれば「娯楽はセックスと回覧板のみ」、さらに「結婚できない奴はなにか問題がある」という風潮も今より根強かった。
そんな世界観でモテないというのは一大事だったと思う。

しかし最近は、異性または同性(後略)との交際以外にも安価で楽しい娯楽が山ほどあり、生活面においても自立できていれば、モテて食わせてくれる相手を捕まえなければいけない、ということもない。

つまり、もうモテなくてもたいして困らない時代なのだ。

そう思っていたころが私にもあったのだが、結論から言うと「場合によっては困る」場合がある。
モテないだけならいいのだが、人間は周りから「ぞんざい」に扱われ続けると「自己肯定感」が爆下がりしてしまうのだ。

「ブス」と言われて怒りが湧くのは「このドブス様に向かってブスとは、舐められたものだ」というプライドを持ち、自分に自信があるからである。
それがなければ、なにを言われても、本当のことだから仕方がない、言われる自分が悪い、と非暴力服従主義な助走段階で疲れるガンジーみたいになってしまうのだ。

そうなると周りも「こいつにはなに言っても大丈夫」となってしまい、ますます扱いがぞんざいになるという悪循環となるのだ。
またぞんざいに扱われ過ぎると、たまに優しくしてくれる人間が現われても、喜ぶどころか「こいつなにを企んでいやがる」と敵意を向けるようになってしまう。

せっかく好意を向けてくれた人を詐欺師やカルト教団扱いする人間がモテるはずがなく、最終的に男女問わず、ただの「嫌われ者」と化してしまうのだ。

それを考えれば、モテという名の「他者からの肯定」が不要とはとても言えないものがある。
しかし「モテ」と「容姿」は切り離せず、容姿というのは生まれた瞬間に決まってるため、己の財力でビジュアルを改造できるころには「やめて、もうあいつの自己肯定感はゼロよ」状態になってしまっている人もいる。

しかし「モテ」というのは時代によってわりと流動的なものであり、どんな顔が「美形」かという評価はその時代の美意識によって変わるものである。
つまり、美形にならなくても、自分の顔が美形という「設定」の世界に行けばモテるのだ。

「俺じゃなくて設定の方が変われ」と言えるほど自己肯定感が高い人間なら、モテる必要もなさそうな気もするが、今回はそんな、自分にチート能力を与えられたのではなく、世界の設定の方を変えられた男の話である。

『逆転異世界で嫁き遅れSランク女冒険者たちに迫られています』

これが今回紹介する作品だ。


タイトルどおり説明不要の異世界転移ものという感じだが、この作品は全く別世界に転移するというわけではない。

主人公は冒険者に仕事あっせんなどをする片田舎のギルド受付の青年「リョウ」。
自他とも認める、地味なフツメンであり、普通すぎてどこからも需要がなかったのか、いまだ童貞である。
そしてモテない人間特有の自己肯定感の低さからか、ギルドに冒険者としてS級かつ全員美女で知られるパーティー「ローゼンクロイツァー」一行がやってきても、当然事務的な対応をすることしかできない。

しかし、周囲が彼女らに「はわわ……」となっているのに対し、リョウの対応は見事に事務的なのである。
この「諦めすぎて逆に美人に動じない」という高みに達している、という意味では自信を持っていい気がする。

だが、ギルドに持ち込まれたレアアイテムである小瓶を誤って割ってしまい、その中に封印されていた「妖精」に恩人認定されてしまったことで状況は世界ごと一変する。

リョウが「モテモテになりたい」と願っていると思い込んだ妖精は、リョウを今いる世界とは男女比、そして美意識が真逆の並行世界へ、その世界のリョウと入れ替えるかたちで転移させてしまう。
しかし、フツメンは裏返してもフツメンであり、むしろリョウはちょっと悪くなっているぐらいだという、これではモテようがないのではないか。

しかし、リョウは変わらなくても先ほど訪れたローゼンクロイツァーはすご腕美女集団ではなく、地獄のドブス軍団として周囲に嘲笑される存在になっていたのである。

この世界は我々の世界よりさらにコンプラがなっていないらしく、周囲に容姿をバカにされ続けたローゼンクロイツァー一団は、元の世界と見た目も冒険者としての腕も一切変わらないのに「俺たち永遠に男に相手にされないままダンジョンとかで死ぬズッ友だょ!」と誓い合うスクールカースト最底辺グループのようになってしまっていたのだ。

「自信」というものは本人の資質ではなく「周囲からの扱い」で身につく、という教育学的にも非常に興味深い作品である。

だが、美醜の価値観が真逆の世界からやってきたリョウの目から見ればローゼンクロイツァーの面々はあいかわらず美女であり、ギルドの受付として普通かそれ以上に優しく対応してしまう。

それに色めきたったのがパーティーのリーダーで、元の世界では赤髪に巨乳の凛とした美人という扱いであった女戦士「カルラ」である。
こんなブスに優しくしてくれるなんて、これはワンチャンあるで、と思ったカルラは偶然酒場で再会したリョウに思いきって声をかけ、そのままラブホ的な酒場の部屋に連れ込むことに成功する。

この「ちょっと優しくされただけで好きになって、イケるのではないかと思う」というのは、非モテとしては相当レベルが低い、逆に言えば「まだ助かる」な状態だ。
もう一段階レベルアップすると、優しくされた時点で「なにが目的だ」と剣を抜くようになる。

そのままリョウとカルラは関係を持つのだが、その時のカルラの態度は終始「こんなブスを抱いていただき圧倒的感謝」という感じであった。
リョウからすれば絶世の美女が抱けるうえに感謝され、カルラからすれば嫌々ではなく本心から自分をイイ女と思ってくれている男に抱いてもらえるという、意外なまでにウインウインな関係になっているのだ。

しかしカルラはドブス集団の先鋒である、続いて「自分らみたいな女に優しくするなんてなにか企んでやがるぜ」ともう一段階こじらせた、おしとやかな銀髪の女エルフ・アイリスが、「どういうつもりだ?」とリョウのもとにカチこんでくる。
ちなみにエルフはこの世界では最も醜い種族とされ、一番美しいのは「ドワーフ族」とされている。
しかし、最初はなにか企んでいるだろうと詰問してきたアイリスも結局は「やっぱ自分も処女捨てたいっす」と本音をあらわにしはじめる。

このように本作は「非モテグループの逆オタサーの姫」になる話である。
オタサーにはあと、お姉さん系妖艶なヒーラー「リーズロッテ」と見た目はあどけないが老獪なしゃべり方をする美少女系獣人「月影(つきかげ)」がおり、リョウは喪女たちの前に現われた救世主として彼女たちに救いの手ではなく男根を与えていく。



その後、リョウはローゼンクロイツァーたちの旅に同行し、ハーレムを楽しみながら一団と因縁がある人妻ダークエルフなどの新しいドブス(この世界基準)と出会うなど、周囲から見ればとんでもないブス喰い道中を繰り広げることとなる。

ちなみにアイリスにはまずフェラチオをしてもらうのだが、その際のアイリスの反応もカルラ同様「こんな私にしゃぶらさせていただき、ありがたき幸せ!」と感涙にむせばんばかりであった。

このように、ただごっつぁんセックスをしているだけなのだが、相手がとにかく喜んでくれるため、読んでいる方もすごくいいことをしている気になってくる。

まさに「自己肯定感」を高めたい人におすすめな作品である。


[新装版]逆転異世界で嫁き遅れSランク女冒険者たちに迫られています
著者:アイーダ龍央/イラスト:御幸やや

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