【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第31回「ドMな戦隊レッド」──『正義の戦隊ヒーロー内でただひとりの男、レッドの苦悩』

【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第31回「ドMな戦隊レッド」──『正義の戦隊ヒーロー内でただひとりの男、レッドの苦悩』

2021/07/30 17:00
【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第31回「ドMな戦隊レッド」──『正義の戦隊ヒーロー内でただひとりの男、レッドの苦悩』


人気漫画家の連載コラム! 「全身貞操帯」「触手エステ」──アダルトライトノベル「オシリス文庫」の個性的なプレイやテーマをカレー沢薫先生が切れ味するどく語ってくれます! あなたの知らなかった性癖が花開いちゃうかも!?



(注:コラム内でオシリス文庫の刺激的な挿絵が登場することがあります。周囲にはお気をつけください)

前にも2019年度版を紹介したが、某エロマンガサイトが都道府県別にその年いちばん検索されたワードの2020年度版を発表した(編集部注:komiflo集計)。

一見全くいらない情報のように見えるが、必ず「それ、はやったか」という言葉が2~3個ねじ込まれている流行語大賞よりも、ある意味リアルな世相を反映している。

まずいちばん多くの都道府県で検索されたワードがなにかというと「人妻」であり、7つもの県でトップをもぎ取っている。
今この瞬間も、向かいにいる神妙なツラでスマホと対峙しているビジネスマン風の男が検索ボックスに「人妻」と入力している可能性は充分にあるということだ。

これは昨今の「不倫」に対する風当たりの強さを反映しているのかもしれない。
昔であれば、浮気は男の甲斐性などと、男の不貞はなんとなく大目に見られてきたが、そんな時代は終わった。
不倫をした男性芸能人が仕事を全部干されたうえに世間にミンチ状にされているさまを見れば「人妻」というものが安易に手を出していいものではない、というのは一目瞭然である。

またこれは日本の深刻な少子高齢化も関係しているのかもしれない。
いくら日本の男は若い女が好きと言っても、己の娘と同年代の女には劣情を抱きづらい、それよりは「娘の同級生のお母さん」の方が、身近でアットホームな存在になってくる。
実際「JK」が1位の県はふたつしかなく「ギャル」も同じくふたつに留まっており、ズバリ「不倫」が1位な県もふたつほどある。

つまり、昔はそれほど珍しくもなかったものが、数が少なくなったり、規制が厳しくなったりすると急に価値が高騰しだすという社会の理(ことわり)を見事表わしていると言える。

だがそれよりも括目すべきは「ショタ」が1位にきているところがふたつもある、ということだ。
もちろん女性ユーザー票かもしれないが、男性票も多分(たぶん)に含まれているとしたらかなり「はじまっている」と言える。
さらに「女性上位」が1位なのが3県、そしてみんな大好き「淫乱」も手堅く4議席を確保している。
そしてもうこれはもう今男性がなにを求めているか正解を言っているに等しいが「お姉さん」が1位の県もある。

ここから導き出される答えはひとつ、もはやチャラ男や屈強な外国人に貞淑だった彼女や妻をNTRされるのはもはや古い。
これからは、自分がカワイイ男の子になって、淫乱なお姉さんに責められアヘ顔ダブルピースをさらすのがいちばんクールな時代がやってくる、ということだ。
こうなるとトップの「人妻」も無関係ではない。「大学進学を機に始めたひとり暮らし、お隣さんは夫が単身赴任中の巨乳人妻で……」など献立はいくらでも立ち上がってくる。

今回紹介するのは、そんな時代の最先端を先取りするような作品だ。

『正義の戦隊ヒーロー内でただひとりの男、レッドの苦悩』


今回は珍しく異世界転生ものではなく、舞台も現代に近いうえ、異能力バトルではなく、ロボやメカなどの科学技術で戦うタイプだ。

主人公は「赤城烈斗(あかぎれつと)」。悪の組織「ムラマシーン」と戦う正義の味方『御洒落戦隊キラリンジャー』のレッドを務めているが、リーダーではない。

なぜなら『御洒落戦隊キラリンジャー』は烈斗以外は全員女子、烈斗は黒一点なのである。

よく考えれば、戦隊ものと言えば紅一点かつ、リーダーはレッドが当たり前という価値観の方が古く、そういった意味では『御洒落戦隊キラリンジャー』は多様化の波に乗っていると言える。
しかし、それがいい環境かというと話は別である。

正直、女の中に男がひとりで「やったぜ、ハーレムだ」と思えるのはよほど胆力のある男だ。
まず、1巻の表紙からして、高圧的そうな女がこちらを見下ろしている構図であり、これが烈斗の立場全てを物語っている。

自分がこの位置につかされたら自律神経の乱れを理由に休職届を出すところだが、最先端をいく人から見れば「ワクワクを隠しきれない構図」と言ったところだろう。

黒一点かつ、純情な童貞である烈斗は当然女社会で冷遇され、まず古きよき、勝気ヒロインであるグリーンこと「緑川翠子(みどりかわすいこ)」にリーダーの座を奪われる。
さらに、ツインテールのカワイイ系「佐倉萌々(さくらもも)」には小バカにされ、言葉遣いは丁寧だが言うことはキツイ黒髪メガネ「青野藍(あおのあい)」には見下され、そして、カレーのことしか頭にない脳筋系「黄瀬雛子(きせひなこ)」にはカレーを買いにいかされるだけのパシリ扱いを受ける。

本筋には関係ないが、イエローがカレー好きという設定はちゃんと万人に伝わっているのか、中年としては若干心配なところがある。

そんなある日、烈斗が休日にカフェで気分転換をしていると、敵対組織ムラマシーンの妖艶な女幹部「アズール」が極めてカジュアルに話しかけてくる。

敵が普通に話しかけてくんなよ、と当然の反応を返す烈斗に対しアズールは「こっちも休日だからいいじゃないか」と一顧だにしない。
悪の組織も正義の味方も「しょせん仕事」ということらしい。

最初は抵抗を示す烈斗だったが、完全にこちらを舐め腐っている同僚4人に対し、アズールはあまりにも「優しいお姉さん」であり、ついつい愚痴や悩みを吐露したり、ショッピングを楽しんだりと徐々に親密になっていく、

その結果アズールに惚れ、ムラマシーンが自分が思っているような悪の組織ではないと理解した烈斗はアズールに告白し、キラリンジャーを抜けムラマシーンに加入を希望する。

そんな、向こう見ずとも言える烈斗の決意と告白をアズールは笑うこともなく受け入れるのであった。
女に全ての言動を全否定されてきた男にとって、このアズールの優しさは「染みる」としか言いようがない、しかし本作は「カワイイ男子がお姉さんにヨシヨシされる癒し系作品」ではない。

ひと言で言えば「ドMのための物語」だ。

ムラマシーン入りを決意した烈斗はアズールに連れられ、首領の「クールG」のもとを訪れる。ちなみにクールGは、悪の首領らしい威厳のある立ち振る舞いをするが、見た目は完全に少女である。
お姉さんや人妻に加え「見た目は少女だが、実年齢や中身は大人を越えてババア」キャラの需要もかなり高まっている気がする。


なにせ烈斗はキラリンジャーの一員である、すぐに昨日の敵は今日の友、俺とお前と玉袋、というわけにはいかない。
Gは烈斗の忠誠を試すため戦闘員を作り出すための「遺伝子」を差し出すことを要求する。
遺伝子とは、つまり精液のことであり、採取するのはアズールの役目だ。

「搾精」という言葉がSNSのトレンド入りする時代である、もはや精液を「出す」時代は終わった、これからは「搾られる」時代だ。
烈斗はアズールに騎乗位でさんざん搾られたあと、Gが開発したイソギンチャクのような搾精生物にもはや拷問レベルに搾られるが、その思いきりのよい出し方と痴態を評価されたのか、ムラマシーン入りを許可される。

「女性上位」とか「M男垂涎」などと書かれていても、正直「逆転」が起こっている作品も少なくない。
本作も、普通なら、冒頭の生意気なキラリンジャーの面々を烈斗が性的に「わからせる」展開がくるだろうし、それを期待する人も多いだろう。
しかし「ドM」という文言に魅かれた人からすれば「次は法廷で会おう」でしかなく、その裏切りが怖くて手に取れないというという人もいると思うが、その点は安心してほしい。

実際キラリンジャーの面々とも一戦交えていくわけだが、終始「ヤられている」。
烈斗の性格は極めてヒーローらしく、愛する人や仲間のために自らの危険を厭わない勇敢な行動を取ったりするのだが、エロシーンになると、アナルから尿道まで一貫してヤられており、反撃の狼煙(のろし)などほとんど上がらない。
逆にM男を求めてきた人からすると「これこそ待ち望んでいたヒーロー」と言える。

もちろん黒幕である女に一矢報いる展開にはなるのだが、その方法は「純粋すぎる暴力」だ。
あくまで「性的にはヤられっぱなし」という強い信念、これこそがヒーローである。

ちなみに、烈斗が抜けたあと、キラリンジャーにはブラックこと「黒田(くろだ)」という男が加入しており、黒田はホスト風のいわゆる「チャラ男くん」で、加入するや否や、翠子以外の女を心身ともに陥落させてしまう。

つまりこれは、女をアヘピさせる男vs.女にアヘピさせられる男の「新旧対決」と言っても過言ではない。

まさに「新しい日本の夜明け」と言える作品である。流行に敏感な方はぜひ、この対決の行く末を見届けてほしい。


正義の戦隊ヒーロー内でただひとりの男、レッドの苦悩
著者:ほりあゆ/イラスト:あまさひかえ

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