【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第35回「魔法少女(23歳)」──『神童真姫23歳、魔法少女(代理)やってます!』

【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第35回「魔法少女(23歳)」──『神童真姫23歳、魔法少女(代理)やってます!』

2021/09/24 17:00
【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第35回「魔法少女(23歳)」──『神童真姫23歳、魔法少女(代理)やってます!』


人気漫画家の連載コラム! 「全身貞操帯」「触手エステ」──アダルトライトノベル「オシリス文庫」の個性的なプレイやテーマをカレー沢薫先生が切れ味するどく語ってくれます! あなたの知らなかった性癖が花開いちゃうかも!?



(注:コラム内でオシリス文庫の刺激的な挿絵が登場することがあります。周囲にはお気をつけください)

「最近の大人は異世界転生とか現実逃避的なものばかり読んでいて嘆かわしい」

そんな意見をたまに聞く、もしくはそう言われているのでは、という被害妄想を抱いている。

確かにクソな現実からの逃避先として創作があることは否めないし、私だって今、映画とか見るなら深い人間ドラマより、大の大人が全身タイツを着て戦ったり、頭髪の薄いカッコいい人がサメと素手で殴り合ったうえに勝ったりするような作品を選ぶ。

しかし、「異世界=現実逃避」というのは誤解である。
なぜなら昨今の異世界転生ものに出てくる異世界というのはけっこう「現実的」なのだ。

なにを言っているかわからないと思うが、読んで字のごとくである。
ブラック企業から逃れて剣と魔法の世界で大冒険かと思いきや、異世界もわりと不景気かつ人手不足で、職種がリーマンから冒険者に変わっただけで依然、ブラック労働を強いられたり、異世界にも人権やコンプラという概念が生まれており、思ったほど好き放題できなかったりと「もしかして現実とあまり変わらないのでは」という異世界がわりと多いのだ。

むしろ剣と魔法という物騒なものが合法なぶんだけ現実より厳しいまである。

さらにたとえファンタジーものでも現実の倫理にのっとって書かなければいけないという縛りがあり「18歳未満とのバトル(隠語)は禁止」というのは、現実世界のルールに過ぎないはずなのに、なぜか異世界にも適応されており、出てくるエロ要員は全員18歳以上、さらに「この世界では18歳が成人である」という、明らかに誌面の外の人に対する説明セリフが出てきたりする。

異世界だからと言って、少女をモリモリ食えるというわけではなく、食えるとしたら見た目は少女、実年齢800歳ぐらいのジェネリック少女が主である。

このように異世界でありながら「これ現実で見たことあるやつだぞ!」というひらめきが止まらないのが昨今の異世界ものだ。
おそらくファンタジーと言っても読むのは、しょっぱい現実の人間であり、しかも読者は少年少女ではなく、中年以上も多分(たぶん)に含まれている。
そういう読者が共感しやすいような、剣と魔法で戦う夢の異世界ではなく、不景気とポリコレ棒で殴られる塩分過多な異世界の出現率が高いのではないかと思う。

そして不景気に襲われているのは異世界だけではない。
先日もこの連載で戦隊ヒーローものをテーマにした作品を紹介したが、そのタイトルは「主人公がほかメンバーにパワハラを受けている」という塩味のきいた設定だった。

戦隊ヒーローがこの始末なら「魔法少女」も煽りを受けないはずはない。

『神童真姫23歳、魔法少女(代理)やってます!』


これが今回紹介する作品だが、その前に「魔法少女」とはなにかというと、普通の少女がある日、商品展開を視野に入れたマスコット的生物に「やつがれ(僕)と契約して魔法少女にならぬか?」と勧誘されるところからはじまる。
そして拒否権なく契約すると、魔法とクリスマス商戦に向けた魔法少女の衣装やステッキなどを与えられて、なんらかの悪と戦うことになる女児向けヒーローものである。

女児向けと言っても、女児の対義語である中年のおじさんなどにもファンがおり、作り手側も「男の魔法少女」など「ヤリマンの処女」みたいな枠にとらわれない魔法少女を登場させはじめ「女児向け」と対象を限定しない方向になりつつある。

魔法少女を題材にした作品は多く、最初から大人をターゲットにしたものもある。

本作もそんな魔法少女を題材とした作品である。

主人公である神童真姫(しんどうまき)も昔、魔法少女として活躍していたが、12歳で引退し現在はタイトルどおり23歳となり、そして正規の就職先が見つからなくフリーターをしていた。

人気子役の現在を追い「今なにをしてるんですか?」と聞いたら「なにも」と返ってきたかのようなしょっぱさである。

そんな真姫のもとに魔法少女時代の相棒であった魔法のステッキ「ゲス」が現われる。

もっとほかに名前はなかったのかと思うが、名前の時点で「これからろくでもないことが起こりますよ」と教えてくれるだけ良心的とも言える。

ゲスの説明によると、現在敵と戦う魔法少女が不在で困っているのだという。

なぜ魔法少女が不在かというと少子高齢化のせいではなく、一応いるにはいるのだが「魔法少女なんかやってなんになるのだ」と現代っ子らしい冷めたことを言って、バックレてしまったらしい。

確かに、魔法少女なんかやってフリーターになっている奴が今まさにここにいるのだから、現魔法少女の言い分のほうが100億パーセント正しい。

しかし、このままでは町を守る人間がいないので、現魔法少女が戻ってくるまで真姫に代理の魔法少女をやってほしいとゲスに懇願され、真姫は「就職先のあっせん」というしぶい報酬と引き換えに承諾することとなる。

そうして約10年ぶりに魔法少女に変身した真姫だったが、魔法少女の衣装は女児向けのままだったのである。
それこそ魔法でなんとかしろやと思うが、どうやら「それは自分の仕事ではないので」らしい、こういうところも現実的である。

女児用のタイトな衣装に、育った真姫の戦うボディをねじ込んだ結果、真姫は完全にエロ漫画業界ではおなじみの「ウオータードラゴンKランドで見たことがある人」つまり魔法少女ではなく成人痴女と化してしまったのである。

この世界では魔物のコンプラも厳しいようで、たとえ敵であってもローティーン以下である魔法少女に対して、性的な攻撃を仕掛けることはなかった。

しかし、相手が成人、しかも痴女なら遠慮はいらぬと、早速「粘膜から魔力を吸い取る」という、この瞬間のためだけに生まれてきたような魔物に前後の穴を両方やられてしまう。

このように、大人の魔法少女がなすすべもなくモンスターにヤられるという作品なので、いわゆる「バトルヒロイン」ものが好きな人にはおすすめできる。
あと、どうしてそういう能力を搭載されたかは謎だが、母乳を出させる魔物に搾乳されるという描写もあるので、母乳に興味津々だけど、赤ちゃんのお食事を横取りするのはちょっと……という人にもおすすめだ。
本来なら出ないものを出せるというのがファンタジー作品のいいところでもある。


このように、肉体的には敵に手も足も出ず、生来のマゾ気質も災いし、というか幸いし、見た目に恥じない痴女ぶりを見せる真姫だが、魔法少女としての魂を失ったわけではなかった。

自分の命や将来、さらには貞操をかけてでも人々を守ろうとする真姫の姿が冷めた現代っ子の心に火を点け、物語は意地のハッピーエンドへと進んでいく。
もし、ドスケベ衣装の成人痴女が母乳を噴射しているところを見たら、現代っ子も余計ドン引きだっただろう、そこは見てなくてよかった。

そして、あれだけのことがあったにも関わらず、真姫も痴女堕ちエンドすることなく、逆に若人を教え導く道に進むのだから恐れ入る。

やはり「強いヒロイン」というのは肉体の強さを示すのではない、どこになにを入れられようが折れることないハートを持ったヒロインこそが魔法少女に選ばれる強い女なのだ。


神童真姫23歳、魔法少女(代理)やってます!
著者:北みなみ/イラスト:露田米

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