【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第36回「闇堕ち聖女」──『幼馴染は闇堕ち聖女!』

【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第36回「闇堕ち聖女」──『幼馴染は闇堕ち聖女!』

2021/10/08 17:00
【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第36回「闇堕ち聖女」──『幼馴染は闇堕ち聖女!』


人気漫画家の連載コラム! 「全身貞操帯」「触手エステ」──アダルトライトノベル「オシリス文庫」の個性的なプレイやテーマをカレー沢薫先生が切れ味するどく語ってくれます! あなたの知らなかった性癖が花開いちゃうかも!?



(注:コラム内でオシリス文庫の刺激的な挿絵が登場することがあります。周囲にはお気をつけください)

アダルト業界において「メス堕ち」や「快楽堕ち」などの堕ちもの系は常に一定の人気を誇っている(編集部注:オシリス文庫は全年齢向けレーベルです)。
女騎士など、強い肉体に高潔な精神を持った者が、快楽に敗れメスと化す瞬間こそがあの日見た虹よりもエモーショナルだ、という考え方である。
ちなみに「メス堕ち」という言葉は男にも使われるということは覚えておいて損はない、だが得もない。
中には「メス堕ちは男がするもの」という認識の人もおり、そういう人にとっては「女がメス堕ち」というのは「頭痛が痛い」くらい不可解な日本語だという。

またエロにも種類があるように勃起にもジャンルがある。
「ウヒョー! パイオツカイデーなチャンネー!」と口笛を吹きまくる、心も股間も上向きな「陽勃起」もあれば、涙とカウパーが同量出てしまい脱水症状で点滴を打ちにいかなければいけない「鬱勃起」も存在する。

鬱勃起したい時に処方される代表といえば「NTR」であり、それに併用されがちなのが「○○堕ち」である。
処方例としては「貞淑な妻がチャラい後輩に寝取られてメス堕ちダブルピース」などが一般的だ。
つまり鬱勃起したいなら、高潔だけどなんの思い入れもない今日が初対面の女騎士さんが快楽堕ちする姿を見せられても意味がなく、高潔かつ「自分の大事な人」が堕ちるさまを見せられてはじめて心身ともに堤防が決壊するのである。

そんなわけで「NTR堕ちを見せられていちばん悲しいポジは誰?」という質問を脳内の俺100人にしたところ、多くの俺が「やっぱ貞淑な妻だろう」「いやまだ手もつないでいない、つきあいたての彼女だね」と主張し議会は騒然としたのだが、その中のひとりが「幼馴染」と言った瞬間、あたりが静まりかえった。

そんなわけで今回堕ちてしまったヒロインは主人公の「幼馴染」である。

『幼馴染は闇堕ち聖女!』


これが今回する作品である。
鬱勃起要員として幼馴染が有能なのは疑いようもないが、幼馴染ならなんでもよいというわけではない。
「ビッチの幼馴染が共用肉オナホールになった件について!」と言われても「おたまじゃくしがカエルになった」と言われたようなもので、ある意味「一人前になれてよかったね!」というめでたさすらある。
高いところから落ちるからこその堕ちであり、その落差が大きいほど勃起の角度も上がるというものだ。

主人公である「ヨアル・ヤオトル」の幼馴染であり、本作のヒロインでもある「アルマエイラ」も貞淑な女であり、もはや清らかを越えて、神の加護を受け、敵対する魔王に対抗する「聖女」として国民に崇められる存在であった。

そんなアルマエイラを魔術師として支えていたヨアルだが、人気絶頂のアイドルがひと言SNSで失言しただけで灰になるまで燃えてしまうように、人気者ほど燃える時の炎はでかい。

アルマエイラもその人気を危惧した国王により「魔王軍と通じていた」という濡れ衣をきせられ「俺たちの聖女様がクソビッチだったなんて!」と激高した童貞メンタルの国民たちに罵声を浴びせられながら「火あぶり」という物理的炎上をすることになってしまう。
そして、ヨアルもアルマエイラの仲間として暴徒に襲われ命を落としてしまうのだ。

リアル歴史上でも聖女と言われた少女が火あぶりとなり、仕えていた騎士がショタコン殺戮おじさんになってしまう、という出来事があったが、性癖に関しては聖女の死は関係なく「もともとそうだったのが目覚めた」だけであり、聖女も「そこは私の管轄外です」だろう。

同じような目にあったヨアルであったが、彼はショタに目覚めはしなかった。

なぜならアルマエイラは生きていたのである。
正確には、敵対する魔王に蘇らされ、魔王の婚約者、そして「魔女王アルマエイラ」として復活していたのだ。

そして奇遇にもヨアルも蘇っていた。

コンビニ感覚で蘇り過ぎではないかとも思うがヨアルが蘇ったのは物語後半で出てくる、「合法です」のシールでおなじみ、見た目は少女、中身はババアの先代魔女王「シェラハ」の力添えによるものだった。

アルマエイラが蘇っていたことにより、ヨアルは自分たちを殺した国王や国民に復讐したり、少年をジャンジャン食ったりするという方向にはいかず「アルマエイラを魔王から奪還」することに命をかけることになる。
ただそこには「※ただし、手段は択ばない」という注釈つきであった。

実際「闇堕ち」しているのはどちらかというとヨアルのほうで、アルマエイラは肩書きと立場こそ変わったが中身は聖女のままであり、諸事情で魔王がアルマエイラに手を出せないため、すでに20年婚約状態で当然まだ処女なので、ヨアルのところに体に「性女(笑)」とマジックで落書きされたアルマエイラのビデオレターが届くということもなかった。

片や、ヨアルは寝ているあいだにシェラハに童貞を奪われ、武術、魔術、そして房中術を叩き込まれたことになる。そしてアルマエイラが魔女の国の中心にいることから、女を使ってアルマエイラを奪還することを考える。


まず物語はヨアルが妖艶な魔女「ニルン」に媚薬作成を依頼しているところから始まる。

ニルンは自分の作った媚薬でいかに股間が毘沙門天になるかを説明したあと「で、誰に使うつもりなん?」と自ら巨大なフラグを立ててしまう。
案の定「まずはお前だー」となり、ニルンはあっけなく籠絡され、ヨアルの手先となる。

続いて、アルマエイラの側近であるメイド服の侍女「エアリィ」と護衛官の「シャルロット」の攻略にかかる。
目的のために手段は択ばないヨアルだが、ものすごく微妙にアルマエイラに対し貞操を守っているところもあり、側近両名は両名とも処女なのだが「バナナはおやつに入るのか」と並ぶ問答である「アナセは本番に入るのか」や「先っちょだけ!」という現実では言っている奴を見たことがないテクニックを使って、処女は奪わずにいたりする。

ちなみにほかの作品でも見たことがある「処女膜の目視」が本作でも計3回ほど行なわれるのだが、いまだに処女膜が肉眼で見えるものなのか定かではなく、少なくとも私の周囲には「処女膜を見かけた」という目撃情報がないため、あると言われているが誰も見たことがないUMA状態になっている。

しかしヨアルがやっていることは「急所ははずしている」というだけで手籠めには変わりなく、たとえ再会できても、聖女のままのアルマエイラがそんなヨアルを受け入れるのかという問題があった。

そしてついに、シャルロットの調教中、使用ずみ避妊具が散乱する部屋にアルマエイラが入ってきてしまう、という考え得る限りもっとも最悪の再会を果たしてしまう。

そして衝撃の現場を見た聖女から発せられた言葉は「シャルロットずるい」である。

「そっち?」と思った人は安心してほしい、シャルロットもちゃんと「アタシ!?」と驚愕している。

変わってしまったヨアルに絶望するどころか、アルマエイラは「自分だってずっとヨアルにヤられたかったのに、なんで側近に先を越されているのだ」と違う意味で涙し、挙句の果てにほかの女に使われた使用ずみ避妊具を手に取り「これもらっていいすか?」と言い始める始末である。

やはり聖女は闇堕ちしていたのだ。

そう言いたいところだが、たぶんアルマエイラは「もともとそういう人」だったと思われる。
ここでも史実の聖女と闇堕ちショタコン騎士の逸話のオマージュという、粋(いき)な演出である。

実際、ヨアルのやったことといえば、女を数人調教しただけで、大量殺戮などしていないため、聖女のコンプラにはそんなに引っかかってはいなかったようで、あっさりと許され「それより私にもしてくれ」とせがまれることになる。

ここから、ヨアルとアルマエイラの「20年越しプレイ」が始まる。
やっていることはイチャラブセックスであり、特殊性だけならニルンや側近たちにやってきたことのほうが強いが、とにかく圧巻のボリュームなのだ。
「24時間やっていた」というのが比喩でないほど長尺でやりつづけるのだが、なにせ20年分なのでふたりにしたら「短くまとめたほう」と思われる。


アルマエイラに無事再会、拒否されることもなく結ばれ、めでたし、と言いたいところだが問題は残っている。
おそらく本人がいちばん忘れていそうだが、アルマエイラは一応魔王の婚約者なのだ、本命が戻ってきたんで帰ります、とはいかない。

よってあっさり「魔王を倒そう」という話になる。
アルマエイラも一応命の恩人である魔王に恩義を感じている的なことを言っていたが、ヨアルと再会した瞬間「なにか邪魔な人」になってしまったようだ。

このあと魔王には衝撃的な展開が待ち構えているのだが、衝撃的なのに異様にあっさりしているので、ふたりの「20年越しックス」のあとだと余計ビックリする。

本作はタイトルに「闇堕ち」とあり、設定自体はシリアスだが、ヒロインはなんだかんだでほかの男に汚されることもなくハッピーエンドなため、むしろハピエンやイチャラブ好きの人におすすめである。

しかし「魔王視点」で見るとこれは極上の鬱勃起NTR作品なのである。

魔王からすれば「命を助けてあげて20年間指一本触れてこなかった婚約者を突然現われた男に寝取られた件について」なのだ。

このように、視点を変えるだけで陽勃起も鬱勃起も楽しめる、一作で二度おいしい話なのである。


幼馴染は闇堕ち聖女!
著者:きー子/イラスト:ぼーかん

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