【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第40回「悪魔のアプリ」──『悪魔のアプリで復讐を-ステータス操作で絶頂地獄-』

【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第40回「悪魔のアプリ」──『悪魔のアプリで復讐を-ステータス操作で絶頂地獄-』

2021/12/03 17:00
【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第40回「悪魔のアプリ」──『悪魔のアプリで復讐を-ステータス操作で絶頂地獄-』


人気漫画家の連載コラム! 「全身貞操帯」「触手エステ」──アダルトライトノベル「オシリス文庫」の個性的なプレイやテーマをカレー沢薫先生が切れ味するどく語ってくれます! あなたの知らなかった性癖が花開いちゃうかも!?



(注:コラム内でオシリス文庫の刺激的な挿絵が登場することがあります。周囲にはお気をつけください)

前にも書いたが、異世界転生や異世界転移、異能力ものは大別すると「サクセス」と「リベンジ」に分かれ、男は「サクセス」、女は「リベンジ」を好む傾向にあるという。

つまり、同じチートスキルを授かったとしても、男は魔王を倒し世界を救う英雄になるために使い、女は今まで自分をいびってきた女の頭蓋骨を粉砕するために使うのである。

話のスケールとしては明らかに前者の方がでかいのだが、こちらにとっては世界の崩壊よりも憎い女の頭蓋骨破壊の方が一大事なのである。
逆に言えば、たとえ地位、名誉、イケメン、全て手に入れたとしても、敵の頭蓋骨が無傷ならそれはもはや「バッドエンド」なのだ。

では男はリベンジに興味がないかというとそんなことはない。
なぜなら今でもネットに出回っている実話系修羅場話界では「不倫や浮気をした女と間男に制裁を加える話」が高い人気を誇っているのだ。
人気があるため数も多いのだが、正直どれも同じような話なのである。

「妻の不倫に気づいた夫が動かぬ証拠と弁護士パワーで『本当に愛してるのはあなただけなの』とすがる妻に多額の慰謝料を請求して離婚、間男にも慰謝料を請求したうえ、相手の会社にチクり社会的にも抹殺する」という話が約20年ぐらい前から寸分の狂いもなく量産され、ネットに出荷され続けているのである。
それにもかかわらず誰も「もういい、飽きた」と言い出さないのはビッチが地獄に落ちる話は何度聞いても飽きないからだ。
やはり人間はどストレートな勧善懲悪が好きであり「サレ夫がシタ妻を成敗する話」はジャンルとしては「桃太郎」と同じなので、今後何十年どころか何百年と同じ話が語り継がれていくであろう。
ちなみにごくたまに社会や経済的制裁ではなく「逆にこっちが訴えられてもいいからコイツを殺す」という不退転の決意で圧倒的暴力制裁にでる話もあるが、これはこれで味わい深い珍味として業界では人気がある。

ちなみにこれもあくまで傾向の話だが、男は女に浮気された時、女の方に怒りを向けるが、女は男ではなく浮気相手の女の方に怒りや刃物、銃口を向けるという。

つまり「ビッチが地獄に落ちる話」は男女ともに需要がある、ということだ。

そんな全人類の好物といっても過言ではないアバズレスレイヤーものなのだが、意外とオシリス文庫にはそういう話が少なく、リベンジよりも新しく手に入れた能力と新しい世界で、つかもうぜゴールデンボール、この世はでっかい宝島、というサクセスものの方が多い印象だ。

しかし、リベンジがないわけではない、今回紹介するのは昔から皆に愛され続ける復讐ものである。

『悪魔のアプリで復讐を-ステータス操作で絶頂地獄-』


主人公の会社員「白坂直人(しらさかなおと)」は、同じ会社に勤める受付嬢「黒羽可織(くろはねかおり)」と交際して3年、告白をした思い出の公園でついにプロポーズをするのだが、意外なことに返ってきた言葉は「NO」であった。

自信があった直人は驚愕し、謝るばかりの可織に「なぜだ」と鬼詰めしたところ「実は直人のほかにつきあっている人がいる」という、まさかの二股宣言をされることとなる。

そこからさらに「直人とは惰性でつきあっていた」「今はその人のことで頭がいっぱい」という、タオルはもちろん、静止するレフェリーすらぶん殴るような可織の猛攻が続き、最終的に激高してつかみかかってきた直人に猛ビンタをかまして逃走フィニッシュを決めて第一ラウンドは終了する。

ボクシングを見にきたはずが殺人ショーが始まってしまい、観客席も静まり返っている状況だが、ビッチスレイヤーものとしては完璧な導入であり、一瞬お通夜ムードになった客席からもすでに殺せコールが巻き起こっている。
私も一時期「修羅場まとめ」を「見ていた」を超えて「住んでいた」レベルの者としてワクワクが隠しきれない。

復讐の方法といえば「金&暴力」という世紀末タッグが鉄板だが、それよりもっと重要なのは「相手に恥をかかせる」ということである。

可織の裏切りに落胆し、激しい怒りを覚え、復讐を考える直人のもとに復讐を手伝ってやろうと悪魔を名乗る女性が現われ、直人にとある「アプリ」を授ける。

どうやら悪魔もIT化の波からは逃れられないようだ。
もはや毒入りのリンゴなどポケベルやPHSと同じ扱いなのだろう。

そのアプリはターゲットの「ステータス」を書きかえられるという代物であり、体のサイズなど物理的な数値はもちろん、体調すら操作することができてしまう。

つまり、相手に拷問級の激痛を与えることも可能なのだが、直人が可織に与えたいのは屈辱である。

手始めに可織のバストを「100」という頭の悪い数値にしてみたところ可織は一瞬で規格外の爆乳となり、服のボタンがはじけ飛び会社の受付で醜態をさらす羽目になってしまう。

アプリの効果を確かめた直人は続いて「尿意」を操作する。
我々頻尿(ひんにょう)に悩む勢としては尿意調整機能だけでいいのでぜひ欲しいアプリである。

その結果可織は強烈な尿意をこらえながら接客をするというという、エクストリーム受付を強いられ、ここでも痴態をさらすことになってしまう。
しかし、本当に復讐の鬼になっているのなら公衆の面前でダムを崩壊させてやるだろうが、すんでのところで尿意を操作し、そこまでは至らない。
しかしこれは直人が甘いのではなく、おそらくコンプラ的に漏らしはNGなのだろう、私も伊達に何十本とエロラノベを読んではないので、なにがOKでなにがダメなのかがだんだんわかってきた、とりあえず可織はオシリス文庫というレーベルに感謝した方がいい。


そして、尿意ときたら次は性感を操作するしかない。
突然会社で性欲が爆発してしまった可織はなんとかセルフで一回イって落ち着かせるというゲロ方式を試みるがもう少しというところで、数値を下げられてしまい、イクにイケない生殺し状態と化す。

そして頃合いを見計らって直人は颯爽と「お困りのようですね」とナメクジのようになった可織の前に現れ、可織を奴隷化すべく無人の会議室でことに及ぶのであった。

こうして、自分を裏切ったクソビッチを屈服させ、本命の彼氏とやらにNTRビデオレターを送ってハッピーエンドかというと、本作は全く別ベクトルのハッピーエンドを迎えることとなる。

詳しくは実際に読んでみてほしいが、この結末には殺気立っていた観客たちも「よかった、不幸な人間はどこにもいなかったんだ」と、ふたつの意味で総立ち拍手である。

だが、浮気というのは経済的社会的に制裁を食らうだけではなく、尿意や性欲を操作されても文句が言えない行為なのである。
本作を読んであらためて「NTRはフィクション内だけ」ということを心に刻んでほしい。


悪魔のアプリで復讐を-ステータス操作で絶頂地獄-
著者:北みなみ/イラスト:桜沢かなた

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