【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第41回「家具化&樹脂固め」──『廃業魔王、ボンデージショップはじめます』

【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第41回「家具化&樹脂固め」──『廃業魔王、ボンデージショップはじめます』

2021/12/17 17:00
【オシリス文庫】「カレー沢薫の淫モラルなラノベ体験」第41回「家具化&樹脂固め」──『廃業魔王、ボンデージショップはじめます』


人気漫画家の連載コラム! 「全身貞操帯」「触手エステ」──アダルトライトノベル「オシリス文庫」の個性的なプレイやテーマをカレー沢薫先生が切れ味するどく語ってくれます! あなたの知らなかった性癖が花開いちゃうかも!?



(注:コラム内でオシリス文庫の刺激的な挿絵が登場することがあります。周囲にはお気をつけください)

漫画家というのは、作家生活の中で何本も作品を描く。

実際はデビュー作が遺作になることもままあるが、担当の嫁母を同時に寝取りでもしてないかぎりは「もうネームすら送ってくるな、連絡は弁護士を通せ」とは言われない。

だが問題は、デビュー作の次になにを描くか、である。
前作が、いつまでたっても単行本化の話が出ず、連載終了後に「全部まとめて電子のみ」と言われるぐらいの失敗作であれば「とりあえず前作と違うものを書こう」という方針だけは定まる。

問題は、前作がわりと好評でファンがついた場合である。
前作の評判がよかったからと言って同じようなものを描けば「またかよ」と言われてしまう。
しかし、女の子がカワイイことに定評がある魔法少女ものがウケたあとに「たかを先生が甦りになられた!?」と見紛うばかりの劇画スナイパー漫画を描いたら、前作ファンがついてこない以前に同一作者と気づいてもらえない恐れがある。

つまり、作家性を保ちながらも、常に新しい題材に取り組んでいかなければならないということだ。

しかし、「初志貫徹」というのも大事である。
「またかよ」という罵声も、それに屈せず意志を貫き通す姿を見せつづければ「待ってました!」という歓声に変わるのである。

アダルト創作界隈も同様である。
ショタが人気と聞けば巨根の美少年を描いて「違うそうじゃない」と怒られたり「いや、そのとおりだよくやった」と褒められたり、男の娘(こ)が人気と聞けば、女の子の股間にただ棒をつけ足したようなものを出し「それだけは違う」と全方位から怒られたりと、常に流行りを追う作家もいるし、そういう作家のフットワークと殴られ慣れには畏敬の念しかない。

一方で「母が死んだ日も、妻が死んだ日も、そして自らの死の直前まで、男はただ『友達のお母さんに誘惑される話』を描きつづけた」というタイプの作家もいる。

今回紹介するのはおそらくそういうタイプの作品である。

『廃業魔王、ボンデージショップはじめます』


この作品の作者である田中まさみ先生の作品を紹介するのは記念すべき連載第1回目を含め今回で3回目だ。
逆に言えばまだ3作しか読んでないと言えるが、すでに氏が「ディフェンスに定評がある田中」であることはわかりきっている。

ディフェンスに定評と聞くと「ガードが堅い女」をイメージするかもするが、そんな精神論的なものではない、「物理で女子のディフェンスをカンスト」させることに定評があるのだ。

そう言われても全く意味がわからないと思うので作品説明に入る。

アダルトグッズ販売会社に勤める「赤城雄二(あかぎゆうじ)」は「全員モデル」という、いつ背後から反社が出て来ても不思議でない合コンへ向かっていたが、その道中で「魔王が人間を支配しようとしている」というテンプレ異世界に転生してしまう。

そこで出会った女騎士の「アンヌ」に勇者認定されてしまうのだ。
必死に否定するが、多くの女騎士が標準装備している「人の話スルー」スキルにより、アンヌが無理やり魔王退治に連れだそうとするのにブチギレ、雄二が「魔王滅べ」と願った瞬間、魔王は滅び世界は平和になった。
出会って4秒で終戦、と言いたいが魔王に出会ってすらない。

なぜそうなったかというと雄二が「願えば叶う」という、居酒屋の便所に貼られているポエムのような雑スキルを手に入れていたからである。

モデルの合コンは叶わなかったが、このスキルを活かしてアンヌほか女とヤリたい放題と思ったのもつかの間、雄二は世界を救った勇者として激務をこなす羽目となった。
さらにガバガバと思われたスキルは能力のある魔族や、具体的に顔をイメージできる者のみ適用、さらにひとりにつき1回という縛りだらけであったことが判明する。
どう見てもヤリマンの女に「門限20時だから」と帰られた気分だ。

そんな欲求不満な毎日を送る雄二のもとに「魔王」を名乗る魔族の少女が現われる。
魔王曰く、雄二に雑な滅びを願われてしまったせいで、魔力を失ってしまったので、責任をとって面倒をみろ、ということである。

魔王が「そんなに悪い魔王ではない」と理解した雄二は、その可愛らしい容姿にも魅かれ魔王の同居を許すが、魔王は完全に二―ト化、忙しい雄二を尻目に食っちゃ寝の生活を続けるため、雄二もついに玉袋の緒が切れた。
しかし魔王に対する雄二のスキルは「魔王滅べ」という「ギャルのパンティおくれ」に匹敵する雑な使われ方をしたのですでに通用しない。

よって雄二はたまたま雄二の部屋の家具を修理にきた家具職人に「こいつは魔王というテーブルだが、壊れてしまったので元のテーブルに戻してくれ」と願う。

誰もが「もう一度言ってもらっていいですか?」と聞き返す願いだが、家具職人はそれで「委細承知」となり、早速魔王を使ったテーブル作りに取りかかる。

魔王をテーブルにしろという突然の無茶ブリに、家具職人は手持ちの部品で試行錯誤、H鋼で魔王の手足を拘束し、よつんばいの状態から動けなくし、その上にクリスタルの天板を置き、見た目だけではなく、テーブルとしての機能も充分な魔王テーブルを作り上げる。

正直ここのDIY描写は普通に感心してしまった、ドリルやのこぎりなどを使わず、組み立てだけで完成する点も初心者に優しくてよい。
この「人体家具職人」を主人公にもう1本作品が書けてしまうのではないか。


想像以上にガチのテーブルにされてしまった魔王はその上に食べ物や足を置かれるなど屈辱的な扱いを受けるが、どうやらもともとMっ気があり、特に拘束プレイは嫌いではなかったようで、テーブル扱いされることに興奮を隠しきれなくなってくる。

その姿に雄二も興奮し、テーブルのままの魔王と一線を越えるのだが、こういう時、挿絵がないアダルトノベルはお互い卑猥な言葉を連呼したり、聞いたことのない痴音を轟(とどろ)かせたりして場を盛り上げるものだが、この時のふたりは気持ちよすぎてお互い「気持ちいい」「気持ちいい」としか言えない「逆に語彙喪失」という珍しい現象を起こしてしまっていた。

この家具プレイがよかったせいか、魔王はすっかり雄二にデレ、雄二はもともとアダルトグッズ会社勤務だったことを活かし、魔王に拘束具を専門に扱うボンテージショップを経営することを提案し、店はそれなりに繁盛することとなる。

しかし平穏だったのもつかの間、ある日魔王は彼女に仕える四天王のひとりであった部下バルトゥバルドに誘拐されてしまい、気がつくと「肉の壁」に手足を埋め込まれた状態でX字に固定されるという状態になっていた。

ここからが「待ってました」である。
なにを待っていたかというともちろん「全身拘束」だ。この物語の作者は女子の体を手足どころか全身固めてしまうことで定評がある。

肉の壁からは触手が出てきて拘束された魔王を責めるのだが、ここまではただの触手責めである。
しかし、触手さんも今日は調子がよかったのか、魔王に絡みつくだけではなく、魔王の全身を肉の壁に取りこんでしまい、露出しているのは鼻と口だけという状態になってしまう。

ちょっと待て、と思うかもしれない。
それでは仮にどれだけ肉の壁の中で卑猥なことが起こっていても、その姿が全く見えないではないか、と。

だからどうした、である。

何度も言っているが、全身拘束と言っているのに顔だけ出ているのは詐欺、甘えと言ってもいい、今回も無事顔まで見えなくなってしまい、私も大満足である。

だが全身拘束はまだ終わらない。
魔王が無事助け出されたあと、今度は実は拘束具に興味があったアンヌを樹脂で全身固めしてしまうプレイが敢行される。

樹脂であれば透明なので、全身拘束されても顔も体も見えるため、観光気分で来た一見客も納得だろう。
さらに今回は魔王もアンヌと繋がったまま固められてしまうという樹脂固め2倍キャンペーンも行なわれている。

そして最後は再び顔まで全身ボンテージで固める人間マネキンプレイで締めくくられる。

毎回「全身拘束」というテーマは変わらないが、今回も素人から玄人まで楽しめる拘束テーマパークぶりを堪能させてもらった。


廃業魔王、ボンデージショップはじめます
著者:田中まさみ/イラスト:fumi11号

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